2018年10月19日(金曜日)
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【論説】1枚の名作捨て、1つの伝説生んだバンクシー劇場

作品が切り刻まれる瞬間を、呆然と見つめるオークション参加者=バンクシーのインスタグラム(https://www.instagram.com/banksy/)より
 
まるでアニメ「ルパン三世」か映画「ミッション・インポッシブル」を見るような劇的なお宝の顛末である。
 
英国の覆面アーティスト、バンクシーの絵画「少女と風船」が5日、ロンドンで競売大手サザビーズのオークションにかけられ、約100万ポンド(約1億5000万円)で落札された直後、参加者らの目前で額縁に仕掛けられた自動シュレッダーが作動し、作品が細断された。
 
シュレッダーはリモコン操作された可能性がある。事件後、会場入口でサングラスと帽子で顔を隠した男が警備員ともみ合っていたという。サザビーズは「オークション史上初めてのことだ」と声明を出したが、額縁の仕掛けについて事前に把握していたのかなどの取材には応じていない。
 
バンクシーは自身のインスタグラムにて、この模様を動画と写真で公開。写真のキャプションには、競売人が落札前に呼びかける「going? going? gone」と記され、落札と消滅を掛け合わせている。
 
ところが、このエピソードがバンクシーの価値を高め、作品価値は今後、2倍近くに跳ね上がるのではないかと言われている。
 
芸術は芸術性だけで評価されるわけではない。一点物の希少価値と作品の物語性が投資熱を刺激して評価が独り歩きを始める。1億5000万円の作品は紙屑になったが、バンクシーの新たな伝説が生まれた。