2018年10月19日(金曜日)
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【論説】ヒートアップする沖縄県知事選

沖縄県でも人気の高い小泉進次郎氏(公式HPより)

 
沖縄の基地問題について考える時、本州とりわけ東京に暮らす私(記者)には、名護市辺野古移設に反対する沖縄県民の本当の気持ちというのはなかなか理解できないと思い、あまり大声でどちらかの意見に賛意を示すことは控えてきた。
 
本音を言えば、「沖縄の人に米軍基地の大部分を押し付けるのはフェアではないが、地政学的な重要性を思えば仕方のないことだ。米軍が存在することで得られる安寧は本州よりもむしろ沖縄県だし、補助金や基地絡みの経済的メリットだって享受しているじゃないか」という思いがある。
 
しかし、自分がウチナーンチュだったら、気軽に同様のことが言えるだろうかとも思う。多くの親族や友人が太平洋戦争末期の地上戦で犠牲となり、戦後は敗戦国の苦汁を本州以上に舐め、今に至るまでその米軍によって守られ、基地経済にも頼っている。いわば、国の思惑によって沖縄県民はずっと精神的に戦後処理を引きずったままである。
 
たとえ理屈では早く移設した方が普天間(宜野湾市)や辺野古の人々にとっても新たな生活の糧が生じ、一つの問題解決となると分かっていても、それを自ら是とすることに大きな抵抗がある。そんな気持ちの人が多いのだろう。
 
9月13日告示、同30日投開票の沖縄県知事選は、前衆院議員の玉城デニー氏(58)と前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)による事実上の一騎打ちとなっている。
 
玉城陣営は、8月に死去した翁長雄志前知事を支えてきた「オール沖縄」勢力が弔い合戦を前面に訴え、一歩リードしている。オール沖縄は、米軍普天間飛行場の辺野古への移設反対を掲げた政党や労働組合、企業の集まりである。
 
追いかける立場の佐喜真陣営には、菅義偉官房長官や小泉進次郎自民党筆頭幹事長、小池百合子都知事など、多彩な顔ぶれが応援に駆け付け、政府とのパイプの太さをアピールしている。
 
国を森、沖縄県を木と模せば、基地問題は森と木の問題ともいえる。国全体を思うのか、負担を強いられ続けてきた島民の負担を軽減するのか。地政学的な問題点から見れば、米中の影響力を巡る暗闘ともいえる。
 
終わっていたはずの問題を再燃させた鳩山由紀夫元首相が応援に入るという話も浮上している。国民全体を分断させた張本人の心境をぜひ、聴きたいものである。