2018年10月19日(金曜日)
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【拉致問題の闇を切る】 ―北朝鮮の弱点―   荒木和博

 「月刊Hanada」11月号に掲載された李英和・関西大教授の論文「金正恩最大のタブー『母は在日朝鮮人』」は非常に興味深い内容でした。
 
 それは母親高ヨンヒが大阪鶴橋出身の在日ダンサーで、父親高ギョンテクは戦前陸軍管理下の軍需工場勤務という「日帝協力者」だった、そのため金正恩は母親のことを表に出すことができないという話です。
 
 高ヨンヒについては東京新聞編集委員の五味洋治さんの著書『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』にも詳しく書かれており、五味さんの本では名前はこれまで言われていた「英姫」ではなく「容姫」であるとされています。朝鮮語の発音は異なりますがカタカナで書けばどちらも「ヨンヒ」なのでここでは「高ヨンヒ」にしておきます。
 
 北朝鮮では在日は差別の対象です。その子供であり、なおかつ李論文に書かれているように祖父が「日帝協力者」であれば救いようがありません。かくて自分の誕生日すら明らかにできないのです。ちなみに祖父高ギョンテクが勤めていた大阪の「広田縫工所」についてはアジア調査機構代表の加藤健さんが陸軍省の資料を探し出し、軍の管理下にあった被服工場であることを明らかにしています。
 
 高ヨンヒの話は既に「しおかぜ」でも何度もやっているのですが、李英和教授の論文でさらによくわかりました。李教授については朝鮮総聯がマスコミに「あいつだけは使うな」と圧力をかけている一人だそうですが、総聯が嫌うのも分かります。
 
 このさい「日朝首脳会談を金正恩の母の故郷鶴橋で」というアピールをするのも面白いかも知れません。ついでに自衛隊の統合幕僚長あたりが「金正恩労働党委員長の祖父は大東亜戦争遂行のために献身的に協力してくれた。日本に来られたらぜひ感謝の意を伝えたい」と発言するとか。
 
 まあ、金正恩も何度か日本に来てはいるようで、鶴橋も来たことがあるのかも知れませんが、一度「接待」したいと思っている脱北者も少なくないはずです。そういうアピールも面白いかも知れません。
 
 李教授も書いていますが、私たちの感覚からすれば在日の踊り子が指導者の妻になるというのはシンデレラストーリーです。しかし北朝鮮ではそれは絶対にあってはならないことなのです。在日は北朝鮮では「在胞(チェボ)」「帰胞(キボ)」と言われ、重要な役職には絶対につくことができません。そして何の実績もないままに三代目になった金正恩としては権威の源は金日成・金正日と続く「白頭山血統」(これも真っ赤なウソですが)なのですが、母親が大阪出身となると、白頭山に天保山が混じってしまい都合が悪い。
 
 したがって母親のことを北朝鮮では表に出せず、そのため金正恩の誕生日も祝うことができません。誕生日ということになれば、当然誰から生まれたのか説明しなければならず、口が裂けても「在日」とは言えないからです。もし言うとすればいかに革命運動に邁進していたかという話を作らなければなりませんが、じいさんが日本軍の管理していた工場にいたとなったら説明のしようがありません。北朝鮮の中にいれば口封じができても日本では無理です。
 
 攻撃は最大の防御です。北朝鮮のような閉鎖された独裁国家は私たちに想像できないような弱点があります。その弱点を研究して突いていくべきです。南北首脳会談で二人が並んで握手する足元には踏みにじられた拉致被害者が、日本人妻が、そして人権蹂躙にあえぐ北朝鮮の人々がいます。政府が日朝首脳会談というのは北朝鮮を引っ張り出すためには必要かも知れませんが、民間がそれに歩調を合わせる必要はありません。
 
 YouTubeには金日成が金正恩を叱る映像がアップされています。金日成は1994年に死亡しているのでもちろん合成で作られたものですが、金日成の物まねをした声は本人にそっくりです。日本語のテロップもついてますので良かったら一度ご覧下さい。脱北者の間では結構流行っているそうで、知人の脱北者も見たと言っていました。
 
https://youtu.be/8vqyxweLKag
 
 ともかく闘わなければ勝利はありません。どんなに文在寅が平和を装おうと、あの体制がある限り生存している拉致被害者全員の救出もなく、政治犯収容所や公開処刑のような人権蹂躙もなくなりません。これらの情報を日本国内、特に総聯系在日や、できれば本国に届くよう拡散しましょう。多くの皆さんのご協力をお願いする次第です。