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やまと新聞インタビュー 皇室の社会福祉活動 荒岩宏奨さん

皇室の社会福祉活動

今日は、やまと新聞コラムで「揺るぎなき国体」を執筆している、展転社 編集長の荒岩宏奨さんに「皇室の社会福祉活動」について聞いた。

― 土屋 編集 現在、皇族方はさまざまな社会福祉活動に取り組んでおられますね。
荒岩 天皇陛下、皇后陛下が行幸啓なさるときには、よく障碍者支援施設や老人ホームなどを慰問なさっておられます。また、例えば、皇后陛下は日本赤十字社の名誉総裁をお勤めになられ、複数の皇族方が名誉副総裁をお勤めになられております。このように、積極的に福祉活動に取り組んでおられます。

― 土屋 皇室の福祉活動はいつ頃から始まったのでしょうか。
荒岩 聖徳太子がつくった「悲田院」が日本最初の福祉施設だと言われていますので、推古天皇の御代にはすでに皇室による福祉活動が行われていたということになります。

― 土屋 歴史がありますね。ところで、悲田院とはどのような施設なのでしょうか。
荒岩 悲田院は、身寄りのない者やお年寄りを受け入れる施設でして、今の老人ホームのようなところです。

― 土屋 皇室が福祉活動を行うのは、なぜなのでしょうか。
荒岩 慶応四年(明治元年)三月十四日、明治天皇は「五箇条の御誓文」とともに「国威宣布ノ宸翰(しんかん)」も発せられました。そこには「天下億兆、一人も其処(そのところ)を得ざる時は、皆朕が罪なれば……」とあります。
 「この世の中に何億人、何兆人の人がいようが、その中にたった一人でも幸せでない者がいれば、それは私の罪である。私自身が、骨を折り、心を悩ませ、先頭に立って困難に立ち向かい、祖先と同じ道を歩む統治をしてこそ、万民の君主である」とおっしゃっておられます。幸せでない者を救うことが、天皇としての役割であるとおっしゃっておられるのです。明治天皇だけでなく、御歴代の天皇は常に民のことを案ぜられており、この大御心を実行なされているのが、社会福祉への取り組みなのだと思います。

― 土屋 しかし、こうした皇室の福祉活動があまり知られていないように思います。
荒岩 たしかに、あまり知られていないかもしれません。
ただ、東日本大震災のときには、多くの国民が皇室の福祉活動のありがたさを実感したのではないでしょうか。天皇陛下、皇后陛下が被災地を巡幸啓あそばされました。天皇陛下、皇后陛下がおいでになると、多くの被災者は勇気づけられ、希望を取り戻すことができたのです。被災地への巡幸啓はテレビニュースや新聞でもたびたび報道されましたので、君民が一体となって東日本大震災という国難に立ち向かっているということを多くの国民が意識したのではないかと思います。
 皇室は、まさに日本人の精神的支柱になっているのです。ですから、皇室の社会福祉活動は、日本国民にとってものすごくありがたいものだと思います。