2018年12月16日(日曜日)
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【論説】何も前進しない二階氏の政治手法

※イメージ画像

 
タカ派とハト派、政治家には2種類のタイプがある。前者は、己の譲れない政治的信念を貫くために、最後には敵を作ろうとも突進する。後者は、信念よりも落としどころを模索する。
 
車に例えれば、アクセルとブレーキに近いかもしれない。どちらが欠けても政治は前に進まない。しかし、どちらがより大切かとなると、ブレーキだけのハト派は物事を何も決められないのに対し、前進することを一義に置くタカ派は敵が増えても政策を前に進めることができる。
 
憲法改正論議で、この考え方が衝突しているように見える。自民党の下村博文憲法改正推進本部長がCS番組で憲法審査会が開かれないことについて、「憲法改正について率直に議論さえしなかったら、国会議員として職場放棄」と野党を批判したことに対し、二階俊博幹事長が「野党の方々にモノを言う場合は、慎重の上にも慎重であってもらいたい」と苦言を呈した。
 
下村氏の苛立ちは、国民の思いを代弁したものとして評価できる。率直な物言いこそ現場の状況を知るには一番であり、改正の是非を判断する国民固有の権利を奪っている野党の立場なぞに配慮する必要がどこにあるのだろうか。
 
事を穏便に進めたい二階氏の立場や狙いも分かるが、ここ数年、遅々として議論が進展しない憲法改正論議を政争の具にしているのは野党である。我が国の未来について、真剣に議論しようともしないのは職場放棄というよりも国民投票権を有権者から奪う憲法違反である。
 
そんな野党に配慮する二階氏のハト派的な政治手法からは、憲法改正論議を進めようとする信念のようなものが感じられない。
 
二階氏は竹下派分裂後、小沢一郎氏と共に自民党を飛び出した前歴がある。出戻り組は外様扱いされるのが常だが、志帥会を引き継いだ二階派は、玉石混交の人材を次々と飲み込んで拡大路線を進めている。党総裁の任期を「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長する党則改正を主導し、安倍首相の3選支持をいち早く打ち出したのも同氏である。
 
流れを主導し、主流派にかしずくことで自身の存在感を高める。安倍首相とは政治信条も政治手法も全く異なりながら、権力維持のために互いを必要とする関係性を築き、党内ナンバー2の地位を保ち続けている。
 
中朝韓にも気配りを欠かさず、会合をドタキャンした玉木雄一郎・国民民主党代表とも日朝議連会合ですぐに談笑できる。
 
皆が仲良くやればいい。
 
そんな二階氏の政治手法の先には、憲法改正も中朝韓への毅然とした外交も存在しない。拉致問題も解決しない。妥協とナァナァの政治が繰り返されるだけである。野党にも中朝韓にも飴ばかり与えていては、相手を肥えさせるばかりで、見せかけの平和に顔を引きつらせてきたこれまでの日本外交が延々と続くのみである。