2018年11月17日(土曜日)
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【論説】対中国ODA3兆6500億円は正しかったのか

※イメージ映像

 
日本が中国に対し行ってきた政府開発援助(ODA)が今年度で終了することになった。1979年の開始から約40年間で拠出された援助額は3兆6500億円以上に上る。
 
環境や教育、疾病対策にも貢献してきたという点で言えば、地球環境や善良な中国国民を支えてきた有意な側面もあっただろう。だが、道路や発電所などのインフラ整備について、中国国民のほぼ100%が「全く知らなかった」というコメントを見ると、「一体何のための援助だったのか」と溜め息が出る。感謝されずに、ただボランティア精神だけで援助をするのであれば、莫大な資金を国内の新技術研究開発にでも投じた方が、文明発展というマクロな視点での貢献度は高かったのではないだろうか。
 
中国は韓国と共に対日政策が最も辛辣な国である。国民感情からも、「なぜよりによって領海侵犯する国に対し総額3兆円以上もの援助をする必要があったのだろうか」という不満が強いだろう。実際、中国は米国を1番、北朝鮮を2番、日本を3番目の仮想敵国としており、日本は日本を敵視する国に資金と技術を提供し続けてきたことになる。
 
最近は習近平国家首席が推し進める一帯一路のプロジェクトがアフリカや東南アジアの国々を借金漬けにしていると批判されている。こうした中国の覇権主義を日本は間接的に助けてきたことになる。自ら首を絞めるこの失政は政治家だけの責任ではなく、外務省や経団連の責任も重い。
 
外務省で中国語を習得した外交官らを指すチャイナスクールは、省内でも有数の発言力を持つと言われるが、納得のいく仕事ぶりを聞いた試しがない。国益よりも中国政府の意向を優先し、同国の人権問題に対しては中国共産党を擁護する立場に立つという。親中に傾く政治家は、中国国内で開催される国際会議に招待されたり、大使館主催のパーティーに招かれたりして、接待漬けにされているケースが多い。官僚もまた、何らかの利権で繋がっているスパイではないのかと勘ぐりたくなるほど、対中外交に問題意識が感じられない。
 
中国政府のご機嫌伺いに熱心である一方、反日政策や領土領海侵犯に対して前線の外交官からの積極的な抗議行動は寡聞にして聞かない。日本はここ数十年、中国からの漂流ゴミや黄砂、大気汚染などに苦しめられているが、ODAはこれらの予防には役立たなかったし、外務省が正式な抗議をした話もない。
 
10月25日に訪中した安倍首相は、李克強首相や習主席との会談で、新たな日中協力やパンダのレンタルなどについて話し合ったという。日本の内政に干渉し、領土領海を侵犯する中国共産党との建設的な協力関係など築けるのだろうか。
 
今、習主席は米国の関税強硬策や一帯一路の世界的悪評、政敵粛清や民族弾圧によって、国内外で独裁的地位が揺らぎつつある。独裁者の弱り目に手を差し伸べるのは、中国国民にとっても、世界にとっても不幸なことにならないだろうか。
 
パンダを年間1億円超で借りても、生まれた赤ちゃんを含めて10年後には返還しなければならない。レンタル中に死亡すれば数千万円の賠償金を支払わなければならない。24時間大切に育てても、生命力が弱ければ飼育員でもどうにもならない。希少生物をこれほどの高値で堂々と貸借する国家間の取引というのを聞いたことがない。中国共産党は、日本に限らず様々な国とパンダ外交を行っている。パンダの命は中国共産党の所有物なのだろうか。パンダに対しても諸外国に対しても、「お前のものは俺のもの。俺のものは俺のもの」という、ジャイアンとのび太の関係性を強いているような横柄さを感じる。
 
対等になれない関係は友達とは言わない。動物をレンタカーのように貸し付ける冷徹な共産党国家とは、少し距離を置いた方が良いのではないだろうか。