2018年10月19日(金曜日)
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【論説】大臣適齢期を優先させた?改造内閣

初閣議に臨む第4次安倍改造内閣

 
新政権誕生や内閣改造の際に、大臣適齢期(入閣適齢期)という言葉がメディアに登場する。衆院議員であれば当選5期、参院議員であれば当選3期が目安とされる。第2次安倍政権がスタートした2012年12月以前の3年3か月間、自民党が野党だったこともあり、同党内には適齢期の議員が溜まり、現在該当者は60人余り。適齢期の議員は「大臣(入閣)待機組」、「大臣(入閣)待望組」と言われ、己の力量を省みず大臣ポストを求める議員は「大臣病」とも言われる。
 
第2次安倍政権になってから、今回の改造を含めて組閣と改造は計8回に及び、少しずつ適齢期の議員数は減少しているものの、5年10カ月という安定政権のもとで枢要ポストの留任が多く、組閣・改造があってもイスの数は限られてくる。大臣の肩書を得られないままひっそりと落選や引退をしていく議員も散見される。
 
今回、首相は安倍内閣として最多となる12人を初入閣させた。そんななか、「女性が輝く社会」を重要課題としてきたにも関わらず、女性閣僚を片山さつき地方創生相1人に抑え、抜擢人事も石破派の3回生議員である山下貴司氏のみに留めた。それだけ入閣待望組のガス抜きを優先したということであり、総裁選での党員得票数や沖縄県知事選の結果が思うように伸びなかったことを意識し、“順送り人事”に傾いた可能性が考えられる。
 
そんな党内事情優先が嫌われたのか、政権支持率は上がらなかった。通常、改造後は新閣僚への期待から一時的に支持率は上がるのだが、今回、報道各社の世論調査で改造後の支持率は軒並み下落し、不支持率が上昇している。
 
適齢期の議員が大臣病に罹るのは、当選を重ねながら要職に就けないと後援会にも顔向けできないからだ。どんな大臣であれ、短期間でも大臣を経験すれば「元国務大臣」の肩書きを選挙ポスターやチラシに書くことができる。大臣を輩出した選挙区民にとっても誇りであり、地元紙に「県内選出○人目の快挙」などと大きく報じられる。
 
だが栄転と落日は諸刃の剣だ。大臣になり、注目されれば周辺取材も執拗に行われる。安倍政権は身体検査が甘いと言われる。一議員のままであればスルーされた醜聞が、大臣になったために蒸し返されたり収支報告書を精査されたりと、次の再選すらも危ぶまれるリスクが高いことを顧みる議員はあまりいないようだ。
 
かつて7年8か月の長期政権を維持した佐藤栄作首相は、巧みな人事で内閣改造を繰り返したが、「改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」との名言も残している。新大臣にとっても諸刃の剣だが、政権にとっても新人閣僚を多く登用するということは、それだけ多くのリスクを抱えるというトレードオフの関係にある。