2018年10月19日(金曜日)
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【論説】政治家は地方巡りよりも都市発展の勉強をせよ

※イメージ画像

 
自民党総裁選でしきりに地方創生を繰り返していた石破茂氏は、自身のホームページに地震が行脚した都道府県の動画を載せて、特産品を頬張る様子や観光名所を絶賛する様子をアピールしていた。
 
「私の政策」というページには「いつの時代も、国を変革してきたのは都ではなく地方の力です。私は鳥取から日本の新しい時代を創ります」と記されている。
 
明治維新以前の時代を指しているのだろうか。随分と悠長な時間軸で物事を考えておられるようだが、国の統治機構と中央集権化が確立された現代は、幕藩体制や封建制度のもとで経済も人もバラバラだった時代と比較しても全く無意味である。
 
「賢者は歴史に学ぶ」というが、何もかも歴史に答えがあるわけではなく、日本も世界も、史上例がないほど地方と都市の差が日々乖離しているのが現代社会の発展構造である。
 
鳥取県の人口が約59万人であるのに対し、東京都は約1,375万人。その差23倍である。山手線の各駅には、鳥取駅や米子、倉吉駅を凌駕する規模の商業都市が経済活動を行っている。
 
こうした東京一極集中は防災面でも生活面でも弊害やリスクが大きい。、東京・名古屋・大阪を合わせた東海道メガロポリスのように、広域にわたって都市が発展していけば、近接する地方にも人や経済が回りやすくなる。
 
中央省庁の地方移転は、こうした機運を高める可能性があると期待されたものの、文化庁の京都移転が決まった程度で、すっかり失敗に終わった感がある。
 
地方に移転する省庁の職員からすれば格落ちに映るため、移転する積極的動機が見つからなかったと思われる。地方移転すれば格安の公務員宿舎に入れるとか、地方を多く経験した官僚が出世しやすくなる――などのインセンティブを設けることで、積極的に都落ちしようと手を挙げる機運が盛り上がるのではないだろうか。
 
石破氏のようにただただ地方を行脚して、特産品を食べて観光名所に立ち寄って握手だけして帰っても、自分のためになるだけで地方のためにはならない。地方を盛り上げるには、中核となる近隣都市の発展が欠かせない。
 
地方を発展させたいのならば、政治家はもっと都市の勉強をすべきなのではないだろうか。