2018年09月21日(金曜日)
ようこそ、ゲストさん。有料記事を見るにはログインが必要です。
 
 
ログイン情報を記憶

システム復旧致しました。

【論説】売名行為にしかみえない猪木氏の訪朝

※訪朝前にツイートされた空港での猪木氏

 
アントニオ猪木参院議員が、北朝鮮建国70年のパレードに合わせて33回目の訪朝を強行した。「強行」と敢えて表現するのは、過去の訪朝を含めてほとんどが自粛を要請する政府の意向に逆らった渡航であるからだ。
 
今回も菅官房長官の要請を無視して訪朝し、過去32回と同様に何の成果もなかった。ところが、リベラル系のメディアは安倍政権に逆らう猪木氏には極めて好意的である。
 
朝日新聞と毎日新聞の今回の見出しは下記のものである。
「北朝鮮、車いすで来たアントニオ猪木氏に『大変感動』」
「アントニオ猪木参院議員 議員団訪朝を北朝鮮に提案」
 
いずれも、何らかの成果を持ち帰ったか、日朝関係改善に主導的役割を果たしているかのような見出しである。
 
猪木氏が報道陣に伝えたところでは、北朝鮮は労働党副委員長が対応し、2020年の東京五輪に「南北一緒に協力したい」と参加の意思を表明したという。拉致問題に関しては、口外しない約束で実情を聞いたことを明かした。
 
要するに、何も成果はなかったのである。行くたびに繰り返すスポーツ交流なるものも、4年前に平壌でプロレス興行をやって以来、進展はない。時には国会開会中にも関わらず訪朝を強行し、日本が拉致や核開発の問題で厳しく制裁を科しているときにも、常にスタンドプレーを続け、北朝鮮を安心させてきた。
 
なぜ毎年、訪朝にこだわり続けるのか。猪木氏が置かれた実情をみれば、その思惑が透けて見える。金銭問題などのスキャンダルで長らく国政から離れていた猪木氏が国政に復帰したのは2013年6月の参院選。日本維新の会の比例候補として、35万6606票の大量得票を果たしたが、その後維新から次世代の党が分裂した後、院内会派を渡り歩いて、現在は無所属(会派は無所属クラブ)。
 
75歳の猪木氏が来夏参院選にも出馬するか否かは定かでないが、現状は議員として何もできていない。脚光を浴びる数少ないイベントのひとつが毎年欠かさない北の巡礼なのである。
 
北朝鮮との関係改善に意欲的である一方、拉致問題については「解決したら我々は幸せになりますかね」と過去に耳を疑うような発言をしている。今回の訪朝で、安倍政権に否定的な言動を繰り返しているTBSのニュースキャスター金平茂紀氏も猪木氏に同行した。双方の普段の言動から、相通じる政治姿勢が垣間見える。
 
仮に、来夏参院選や自身の売名行為に訪朝を利用しているのであるとすれば、議員として以前に、日本人として許される行為ではない。