2018年09月21日(金曜日)
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【論説】地震地図も兆候もあてにならなかった北海道地震

※イメージ画像

 
9月6日午前3時8分ごろ、北海道南西部地方を震源とする最大震度7を記録する地震が発生した。北海道全域の約295万戸が停電し、9月9日までに30人以上の死者が確認された。
 
震源地付近に活断層は観測されておらず、未知の活断層が動いた可能性が指摘されている。今回の地震で、主要活断層帯を刺激する恐れもあり、政府の地震調査委員会は警戒を呼び掛けている。
 
発生を予知できた地震学者は皆無だ。村井俊治・東大名誉教授が作成していたMEGA地震予測では、今回の震源地は三段階中二番目の警戒レベルである「要注意」に指定されていたものの、小笠原諸島全域や南海エリアなどを大きく覆った最大警戒レベル「要警戒」ではなかった。「要注意」エリアとは言っても指定エリアの末端にかろうじて位置するレベル。日本全土のほぼ半分を覆う「要警戒」から外れている時点で、ほぼノーマークといっていい震源地だった。
 
そもそも、活断層やプレートだけでなく今回のように未知の活断層が動いたとなれば、事前に電磁波などの兆候が出ていたとしても、確認されている活断層に注目がいき、ピンポイントで場所を特定することは不可能に近いだろう。今回の地震は、マグニチュード6.7と、被害の割には規模が小さかった。それだけに予兆もほとんどなかった可能性が高い。揺れや被害は震源地からの距離や地層によって大きく変動するので、地震の規模がメガ級でなくとも今回のように大きな被害となることは珍しくない。
 
2016年4月14日に発生した熊本地震も、日本全国が南海トラフ沖への警戒を強める中で発生した。東日本大震災は余震による予兆があったものの、1995年1月17日の阪神・淡路大震災も、2004年10月23日の新潟県中越地震も、想定外のエリアで発生した。
 
もはや活断層を描いたマップさえも参考にならないほど、次の大地震がどこで発生するかは難しい。人智で及ばぬ地震への覚悟と備えを怠らないことが、地震大国日本で生き残るための心構えであることを、今回の大地震は改めて示した。