2018年09月21日(金曜日)
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【論説】石破氏の致命的資質がボロボロと…

画像:公式ホームページには「国家」や「国民」「地方」の言葉はなく、「石破」の名前で溢れている

 
石破氏の語り口は、言語明瞭で政策不明瞭な評論家によく似ている。政府のやることに細々としたダメ出しや注文を付けて神のような立場で物申しながら、自分ならもっとうまくやれる、もっと丁寧にやれる、という印象操作をする。
 
ところが、具体的な独自の政策となると、何をどうしたいのかさっぱり見えてこない。例えば、彼が力説する地方創生については、8月24日にアップされたばかりの「地方を訪れる意味など」というブログでこう記している。「日本全国1718市町村、すべてを踏破できるとはとても思えませんが、日本とは、などと抽象的かつ漠然とした的な捉え方をしたままで多くを語ってきたことに、今更ながら反省の思いが強くなります。政策の提示をしたときに、あの町の、あの村の人はどのように思うのか、いつもそのように心掛けていきたいと切に願っています」。
 
摩訶不思議な文章である。反省しているはずなのに、漠然とした決意だけ述べて結局、反省したはずの具体的政策が出てこない。一体全体、何を反省しているのだろうか。
 
そして、神の立場に戻って教えを告げる。「政治は魔法でも手品でもありません。過去の遺産に縋り、次代に負担を先送りすることは避けなくてはなりません」と。
 
では、あなたが総理大臣になったら何をしたいのか。「15世紀に欧州で疫病が大流行した時を除き、日本国はいまだかつて経験したことのない速さと規模で人口急減と超高齢化社会を迎えます。安全保障環境も、今までとは全く異なる様相を呈します。我が国の未来は過去の延長線上にはないのであり、抜本的に国の在り方を変えていく必要があります。国民各位の納得と共感を得るためには、国政の側が可能な限り各地の実情を知悉し、信頼を得る他に道はありません」。
 
また現場の聴き取りに戻るようだ。自分で「政治は魔法でも手品でもない」と言いながら、では何なのかということを何も語らず、ただただ地方行脚に勤しむ決意を述べる。2015年10月から16年8月までの10カ月間、初代の地方創生担当大臣に着任し、当時から「将来の日本のために地方活性化は欠かせない」と言いながら、「先ずは地方のことを一生懸命勉強する」と読書に勤しむ様子をカメラに撮らせていた。
 
2年後の今に至っても、まだ地方行脚しながら勉強し続け、大臣時代を含めて具体的な成果や政策は何も出していない。2012年の衆院選と2013年の参院選では、党幹事長としても全国を回り、陣頭指揮してきたはずだ。地方のことはもう知り尽くしているはずである。地方を知るというよりも、地方の支持を得ることだけが目的なのではないか。
 
自ら政策通とうそぶいて、耳目を集めた挙句に、聞きかじった内容を評論家然として批評する作業しかしていない。もしかしたら、彼にとっての政治とは、ただただ勉強しウンチクを垂れるだけの作業なのかもしれない。
 
その政治姿勢は、政府の決定に全て反対するだけの頭でっかちな革新系の人々とダブる。民主党も書生のような青臭さで普天間移設の理想論や霞が関埋蔵金のような根拠なき陰謀論を語り、政権につくと会議ばかりを繰り返して党内対立が先鋭化し、結局、何も決められず「会議は踊る、されど進まず」の亡国政治を繰り広げた。石破氏もまた、地方行脚で民衆の代表然としながら何ら独自の解決策を語らない口だけタイプの政治家である。
 
25日のテレビ出演では、トランプ米大統領について「民主主義とか人権とか法の支配とか、そういう価値観ではなく、米国の利益が第一だと言い放つ」と述べた。正しい人物評だと思うが、党総裁になり総理大臣になろうとする人が、それを言ってしまっては、実際に就任した場合、日米関係に決定的な亀裂が生じる危険がある。人物評よりも、トランプ氏のようなタイプとどのように渡り合い、安倍首相よりも国益に適う日米関係にできるといった具体策を訴えるべきである。
 
外交においてまで「正直、公正」などという書生じみたことをされては、狡知に長けた周辺諸国から揚げ足を取られ、国益を大きく損ねるだけである。中国政府が、鳩山由紀夫元首相の言動を賛美し、安倍政権への攻撃材料とするように。
 
国民にとって迷惑千万なだけの独り善がりの政治信条を貫きたいのであれば、政権与党ではなく主張が通じる立憲民主党にでも鞍替えした方が、じっくりと地方行脚もできて、ご活躍できるのではないだろうか。
 
9月20日の総裁選後、党内に居場所はないと思われるが、自身の政治姿勢を棚に上げて「敗者に寛容だった自民党は独裁政党になってしまった」などと、上から物申す甘ったれた態度は、いい加減やめてもらいたい。