2018年09月21日(金曜日)
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【論説】訂正記事を無きものにしようとする朝日新聞の悪辣さ

朝日新聞本社

 
朝日新聞は、もはや真実を伝える気概を失くした政治的な機関紙なのかもしれない。慰安婦問題を訂正した英語版記事がネット検索できないように設定されていたことが発覚した。
 
マスコミは誤報があれば迅速に訂正する義務がある。新聞社に就職した自分(記者)が入社研修を受けた時にも、誤報がないように裏取り取材の重要性を繰り返し説かれ、それでもミスがあれば迅速に訂正記事を書くことが報道の使命と教わった。
 
それだけ裏取り取材と訂正することの重要性が強調されながらも、新聞社は決して訂正記事を大きく報じることはない。「訂正が多い」という印象を与えれば信用失墜し、売上減に直結する。
 
朝日の慰安婦報道は、かつてはクオリティーペーパーとも賞賛された同紙の信頼を決定的に損ねた虚報である。虚報は国際問題に発展し、国益を大いに損ねてきたにも関わらず、長期にわたって同紙は確信犯的に訂正記事を拒否してきたと言っていい。
 
それでも、2014年8月5日、朝日は慰安婦問題に関する検証記事として、2面分に渡り事実上の訂正記事を記した。その決断だけは多少なりとも報道機関の矜持に立ち還ったのかとエールを送りたい気持ちだった。
 
誰しも過ちはある。それを32年間に渡って頬かむりし、むしろ慰安婦問題を焚きつけてきた責任は万死に値するが、事が大きくなればなるほど本当だったと信じたくなる気持ちも人間心理として分からないではない。
 
ところが、朝日はその3カ月前、同年5月に福島第一原子力発電所長だった故・吉田昌郎氏が聴取の中で述べた「吉田調書」を独自入手したとして、「福島第一の所員、命令違反し撤退、吉田調書で判明」というスクープ記事を記していたが、こちらも虚報と判明。慰安婦訂正報道の1カ月後、2014年9月11日に記者会見を開き、訂正と謝罪を行った。
 
朝日の失態と言えば、サンゴ礁の落書き捏造事件も有名である。沖縄県西表島で、同紙カメラマンがサンゴに自ら「K・Y」と落書きし、1989年4月20日付夕刊1面で「サンゴ汚したK・Yってだれだ」という見出しで巨大なカラー写真記事を掲載。自作自演の虚報と判明し大問題となった。
 
こうした同紙の不祥事は、内容の不正確さや勘違いなどではなく、いずれも記者や取材対象が意図的に虚偽のニュースを作り上げているケースばかりである。うっかりミスという誤報ではなく、意図的に事実を捻じ曲げる虚報である。
 
今回、発覚したネット検索防御の設定も、2014年8月5日から4年間にわたって、検索エンジンのクローラーに索引(インデックス)させないメタタグをウェブページに埋め込む確信犯的な仕業を行っていたようである。同紙広報部は「記事を最終確認するため社内のみで閲覧できる状態で配信し、確認を終えてから検索可能な状態にした。その際にタグ設定解除の作業が漏れてしまった」(産経新聞から引用)と説明しているようである。
 
狼少年の言い訳である。ウソにウソを塗り重ねているようにしか聞こえない。訂正記事を矮小化したい気持ちは、どの新聞社も同じだ。だが、意図的に検索できないようにしたり、外国人には慰安婦を既成事実のままにしておこうという意図があるのだとしたら、朝日新聞は最早、報道機関を名乗る資格すらない。よしんば、広報部の言い訳が本当であったとして、慰安婦問題は国の名誉がかかった国際問題になっており、外国語の訂正記事こそ国際社会に認知してもらうために重要なはずである。朝日新聞に本当の贖罪の気持ちがあれば、このような初歩的なミスは絶対にしないはずである。
 
報道機関の矜持に立ち還ったのかとエールを送りたくなった気持ちを、4年ぶりに全面撤回したい。この悪辣な機関紙は、反省するとうそぶいていつも腹の内で舌を出し、「次はどんなウソで政府を、日本を窮地に追い込もうかな」と悪知恵を働かせているに違いない。