2018年09月21日(金曜日)
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【論説】省庁で障害者雇用水増し42年、未達の企業は罰金なのに…

今年4月から引き上げられた障害者法定雇用率

 
中央省庁と都道府県庁で、障害者法定雇用率の水増しが行われていたことが発覚した。所管の厚労省が再調査を指示しており、国や地方公共団体で義務付けている2.5%を大きく割り込み1.0%未満になる省庁が続出するとみられる。
 
1つの省庁でなく、複数の公的機関で42年間にわたって実態を偽っていたというのである。公式な調査結果が発表されれば、この事実はモリカケ問題に続く政局の火種になる気配で、立憲民主党などは閉会中審査を要求している。
 
障害者法定雇用率が単なる努力目標であれば、「これからは正直に届け出ましょう」で終わる話かもしれないが、未達の民間企業に対しては、1人不足するごとに月5万円の罰金が科せられ、昨年度だけで4万5471社から計295億円もの徴収が行われている。納付金は厚労省最大の天下り先である独立行政法人、高齢・障害・求職者雇用支援機構が管理しており、民間から吸い上げた金で官僚OBまで潤っていたことになり、こちらも問題になりそうだ。
 
抜き打ち検査などの実態調査が一切行われてこなかったことが、水増しの常態化につながったとみられる。今回発覚したのは、4月に複数の省庁から雇用算定方法について厚労省に問い合わせがあり、調査をしたところ、障害者手帳を持っていないなど対象外の人々が過去に障害者雇用に含まれていたという。
 
省庁から問い合わせがあったのは、今年4月に法定雇用率が民間企業2.0→2.2%、国・地方公共団体等2.3→2.5%と制度改正があったためとみられる。算定基礎に精神障害者を追加する改正も行われており、制度の実態と運用に齟齬が生じていたことが明らかになったと思われる。
 
厚労省によると、昨年6月時点で国の行政機関33のうち障害者雇用数は約6800人とされているが、このうち2000人以上が基準をクリアしていない可能性がある。また、都道府県庁など地方公共団体でも同様の水増しが続々と発覚しており、制度の欠陥も指摘されている。
 
障害者雇用促進法は2016年に改正されたばかり。障害者が自立した生活を営めるようにと、国がPRしていただけに、制度そのものを揺るがす信用失墜となりそうだ。