2018年08月16日(木曜日)
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【論説】「数は力」源泉に集権図る老害議員

 
参院の定数6増を定めた改正公職選挙法が7月18日、自公の賛成多数で成立した。「国民の理解を得られない」と主張していた小泉進次郎氏は、自民党筆頭副幹事長の立場上、造反しづらかったのか、賛成票を投じた。同党で造反したのは船田元氏のみで、採決前に本会議場を退席し棄権した。
 
人口減少が続く中で衆院のカーボンコピーと揶揄され、その存在意義が問われている参院の定数を増やすことが、果たして国民の理解を得られるのだろうか。財政面でも国益に反するような法案可決を主導したのは、合区対象県の重鎮連中だ。
 
鳥取選出の石破茂氏は「現実的な案としてやむを得ない」などとして、当初からブログや会合で定数増の正当性を主張してきた。また、島根選出の竹下亘・党総務会長は「粘り強く、必ずやるという思いで一歩一歩進めたい」と、採決前に強い意気込みを語っていた。
 
竹下氏は異母兄である竹下登の後継者として2000年の衆院選で初当選してから7期目のベテランである。2014年から1年間、安倍内閣のもとで復興大臣も務めている。今年3月、竹下派(平成研究会、旧経世会)の会長だった額賀福志郎氏に対し、参院メンバーが集団離脱を盾にして退任を要求し、後継会長に就いたのが竹下氏である。
 
昨年11月には、議員年金の復活を訴えて、「議員年金が無くなり生活保護を受けたり、ホームレスになったりする方もいる」などと、国民目線よりも議員目線を最優先に考える傾向が強く、政争の末に総理総裁の地位についた兄と同様、数を力の源泉にして権力を振りかざすタイプである。
 
7月14日には、「(たとえ安倍首相が総裁選3選を果たしても)来夏参院選で敗北すれば退陣に追い込まれる」と言明し、あたかも首相に宿題を突き付けるような物言いである。こうした闇将軍のような議員が力を増すと、派閥政治の負の側面が強まり、小泉進次郎氏のような若手の意見が封殺され、国民からの支持も遠のくのではないかとみられる。
 
国民目線など無視して定数6増を捻じ込んだ張本人が、「負ければ首相の責任」と言い放つところに、兄同様の狡猾さが透けて見える。