【教育の窓】 「コストパフォーマンスで教育を歪めてはならない」元参議院議員/教育評論家 小林 正

 八月末の文科省概算要求は松野文相にとっては初仕事だった。長年教育に尽瘁された実績が評価されたものとして今後に期待したい。

 概算要求総額は前年度予算比5051億円(9,5%)増の5兆8266億円となった。ポイントは「学ぶ意欲と能力のある全ての子供・若者、社会人が質の高い教育を受け、一人一人がその能力を最大限伸長できる社会の実現」を掲げ、教育を「未来への先行投資」と位置付け「一億総活躍社会」の実現に向けて強力に推進するとしている。安倍内閣の掲げる「新三本の矢」を教育分野でも推し進める心意気を示したものである。

 一方、安倍内閣は「働き方改革」も掲げており、担当大臣も任命して長時間労働・「非正規雇用」の改革を進めるとしている。同一労働・同一賃金の原則を貫き、「非正規」を死語にすると宣言している。今、各府県段階では総額裁量制(定数法上の人数さえ充たせば任用については問わない)導入以後「非正規」教員の割合が増加している。これは教員の身分に係ることであり、教育の質そのものが問われかねない問題を内包している。従って、安倍内閣の方針は、文科省にとっては本来歓迎すべきことなのである。

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