2017年12月18日(月曜日)
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歴代天皇の詔勅謹解 第三回「講演要旨 歴代天皇のみことのりから学ぶ」 御所市議会議員 杉本延博

 今回は、11月6日、学ぼう会北摂・よくわかる歴史講座「歴代天皇のみことのりから学ぶ」で紹介しました歴代天皇のみことのりの一部を講演要旨としてレジュメ風に掲載いたします。

 まず最初に神武天皇のみことのり(御東征から橿原建都までのみことのり)をご紹介してまいります。

〇天業恢弘東征の詔 (謹抄)『日本書紀』
是の時、運は鴻荒に屬ひ、時は草昧に鍾れり。故れ蒙くして以て正を養ひ、此の西の偏を治せり。皇祖皇考、乃神乃聖にまして、慶を積み暉を重ね、多に年所を歴たまへり。

 上記の詔の大意は「瓊瓊杵尊が御降臨なされた当時は、大昔の事であり、世は未開であつた。国民の素朴な性質を養育して、正しい道に導いていくために、西方の国土を統治された。皇祖は神であり聖人だったことから慶びを積み徳の光を重ねられて悠遠の年月を経たせられたのである。」であります。

 この詔では、正を養ひ(養正)・慶を積み(積慶)・暉を重ねる(重暉)と皇道三綱と言われる大事な御教えをはじめ神武御東征に向けた意義、理想そして決意を仰せになられています。

坐ながら天下を平け給ふの勅 (謹抄)『日本書紀』

吾必ず鋒刃の威を假らずして、坐ながら天下を平けむ。

 上記の勅の大意は「朕はぜひとも、武力を用いないで恵を垂れ徳を布き、平和的な手段を用い、坐ながらにして天下を平定したいのである。」であります。

 御東征の真髄が、簡潔に顕現された勅であり、できる限り武力を用いずに、天下を治めたいとの御心を仰せになられています。
 平和的な手段として粘り強く話し合いによる説得を重ねていくが、もし聞き入れない場合は、やむを得ず「まつろはないものをまつろはせる」ため干戈を交えることがあります。あくまでも平和的な徳と恵に基づいた統治を実現しようと徹底しておられる御心を拝することができます。

〇戰勝後将兵を戒め給ふの勅 (謹抄)『日本書紀』
戰に勝ちて驕ること無きは、良将の行なり。
上記の勅の大意は「戦いに勝っても驕るような振る舞いをしないことは、良き将兵の行いである。」であります。

 忍坂邑の戦に勝利し、その気持ちが高揚していた久米部の兵士に対して、決して驕ることなく士気を引き締めるよう御諭しになられた勅であります。
 将兵にとり最も重んずべき精神的原理で、万国共通の訓戒であります。遥か御代にお諭しなされていたことから天皇の御聡明さをよく現しているといえます。

〇橿原建都の令―八紘爲宇の詔 (謹抄)『日本書紀』
夫れ大人の制度を立つ。義必ず時に随ふ。苟くも民に利有らば、何ぞ聖造に妨はむ。

 上記の詔の大意は「そもそも大人(聖人)が国の制度を定めるに当っては、その道理は必ず時勢に適するようになされた。少しでも民の利益になることであるならば、それは決して祖宗の立てさせられた聖業に悖ることはないのである。」であります。
橿原の地に都を定めて仰せになられた建国宣言ともいうべき国史上最も重要な位置をしめるみことのりであります。
 本詔の中で「義必ず時に随ふ。苟くも民に利あらば」と仰せになられています。国民の利益と福祉が向上するよう世情に応じた制度や法を定めるようにとの有難き聖旨であります。

 次に第十代崇神天皇から第五十代桓武天皇までのみことのりから民を慈しむ御心を仰せになられた詔勅をご紹介してまいります。