拉致問題の闇を切る 第六回「韓国はどこに行く」 特定失踪者問題調査会 代表 荒木和博

 知人女性にまつわるスキャンダルで朴槿恵大統領は厳しい状況に立たされています。ソウルでは左派勢力主導の大規模な朴槿恵大統領退陣要求デモが起きており、最近では日本からJR東日本労組とか動労の組合員など左派系の労働組合員まで訪韓してこのデモに参加しています。支持率も急降下して、残り1年余の任期を乗り切れるかすら不透明な状態です。

 しかし遠目に見ていると、なぜこの問題でこんなに大騒ぎしなければならないのか不思議で仕方ありません。
 権力にまつわる蓄財や特権の享受は、韓国ではこれまで「通常」のことでした。何しろ千年以上の中央集権の歴史があり、今の大統領も権力の集中という意味では王様(より正確に言えば「選挙で選ばれる期限付きの王様」)のようなものです。

 だから大統領に近ければそれだけで特権を享受できたのです。元ソウル特派員の知人によれば大統領演説の原稿が事前に流出することは昔からあったそうです。その知人も原稿のコピーを見たと言っていました。当然その内容はインサイダーに使われるのでしょう。怪しげな宗教者との関係なども含め、大事な問題で信頼できる知人に相談するのは大なり小なりどこの国でもあることではないでしょうか。問題となるのはその結果であって経過ではないと思います。
 特に韓国の場合、直接選挙で選ぶ大統領中心制であり、ある意味国民は全てを大統領に任せたとすら言えるのです。評価されるべきは過程より結果です。その意味でいえば1998年から2003年の金大中政権、そして2003年から2008年の盧武鉉政権は北朝鮮に近い、左派政権でした。この当時韓国から北朝鮮にカネや情報が流れていたことは誰でも知っています。本来韓国にとってはこちらの方が遥かに大きな問題であるはずです。

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