拉致問題の闇を切る 第四回 「戦う」ということについて 荒木和博
「国民が連れて行かれて誰一人取り返しにいかない。それどころか悔しがることすらしないなんて、軍人がそんなことであっていいはずはありません。『自衛隊』とかいう名前にしても自分を衛るなんて、恥ずかしくないのか。国を護るために、自分以外のものを守るために死んでいくのが軍人でしょう。自警団の子分みたいな情けない名前の組織などなくしてしまえというんだ。目の玉の飛び出るような金を使っているだけ無駄じゃないか。俺たちは何のために死んでいったんだ。こんなに、こんなに情けない国のために、あの矢ぶすまのような対空砲火の中を突っ込んで、身体を四分五裂させて死んでいったのか」
宣伝めいた話になりますがお許し下さい。還暦を迎えて生まれて初めて小説を上梓しました。『靖国の宴』という書名で、靖国神社に日本と韓国、北朝鮮、米国の戦死者の御霊が集まって語り合うというお話。上はその中で姪を拉致された戦死者が語っている部分です。
書いた人間が解説しても仕方ないのですが、イメージとなったのは「戦死した人たちが今の日本を見たらどう思うか」ということでした。
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