2019年10月18日(金曜日)
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【「上級国民」に対するフラストレーションが29万人?】 槙泰智(政経調査会)

東池袋で発生した自動車暴走死傷事故の遺族がブログを開設し犯人への厳罰を求め署名活動を展開しているおり、

すでに29万人の署名が集められたという。

東池袋自動車暴走死傷事故 遺族のブログ

https://ameblo.jp/ma-nariko/

 

二度とこのような悲惨な事故を起こして欲しくない、という遺族でる松永さんの至純な思いから端を発した

署名活動に対しては敬意を表するものであるが、内容において不明確な部分がある。

署名活動に参加した人々は何を求めているのであろうか。

 

東京地検宛の署名簿においてその眼目は

加害者である飯塚幸三運転者に対し、繰り返される交通死亡事故に警鐘を鳴らすた
め、出来るだけ重い罪での起訴の上、厳罰に処していただきたく、ここに署名を添え
て要望いたします。

とある。

世間一般において発生している交通事故に対する厳罰化を求めているのではない、

飯塚運転者個人に対する厳罰化を求めている。報道によると

「警視庁は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で飯塚元院長を書類送検する方針」とあるから

署名簿の趣旨としては、それよりも重い罪状での起訴を検察庁に求めていると想定できる。

 そうすると危険運転処罰法の適用を求めているとも想像できるが、泥酔状態でもないから無理なことはわかっている。ましてや殺人罪に問うことはあり得ないし。

では、いったい何を以っての「重い罪」「厳罰」なのか?

署名活動に協力した29万人は明確に回答できるだろうか。一般庶民としては命を奪われた母子に対する慈しみの気持ちと運転者に対する怒りを署名と言う形で体現できたことで一矢を報いたと思いたいのかもしれない。

 

 これは事故の直後に飯塚運転者が逮捕・身柄の拘束を受けずに帰宅したことに対する国民のフラストレーションが29万人の署名に繋がったと言えるのではないのか。

飯塚運転者が通産省勤務時代に工業技術院院長を勤め退官後、クボタの副社長を勤めたという華々しい経歴故にネット上では根も葉もない「上級国民」と位置づけられたことに対する庶民のヤッカミが沸点に達した結果ではないのか。

 我々庶民であれば逮捕/拘留/拘置を打たれそのまま懲役刑になるのに、と言った誤解から生じたものではないだろうか。

 確かに過失とはいえ死亡事故の加害者となれば逮捕があたりまえとなるが、その場合でも拘留請求がなされず二日程で帰宅を許されるケースはままある。

飯塚運転者の場合は高齢であることから帰宅を許されたのかもしれない。

自分で身の回りの世話が出来ない人間を留置しても小規模な目白警察署あたりでは介護のために人員を裂く余裕がなかったのではないか。人工透析患者やインシュリン注射を必要とする糖尿病患者では帰宅が許されたり身柄拘束期間が短いのと同様だろうか。

 

 一般論であるが逮捕/身柄拘束のためのハードルは高くあってしかるべきである。

なんでもかんでも警察の裁量で身柄拘束が可能となる世の中であってはならない。

法定型に従い、証拠隠滅の恐れなし、逃亡の恐れなし、住所が定まっている、ならば身柄の拘束を行ってはいけないのである。

自動車運転処罰法違反であれ業務上過失致死であれ、裁判によって判決が下された段階で飯塚運転者にはそれ相応の処罰が下される訳であり、そこで懲役刑がくだされる可能性も無いわけではない。