2019年10月19日(土曜日)
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天皇御製に学ぶ 第三十二回 四宮正貴

仁徳天皇御製
 
高き屋に 登りて見れば 煙立つ 民のかまどは にぎはひにけり
 
第十六代仁徳天皇は、御名は大鷦鷯尊(オオササキノミコト)と申し上げ、応神天皇の第四皇子であられる。在位八十七年といはれる。
「髙殿に登って見ると、竈の煙が立ってゐる。民のかまどはにぎはったことだなあ」といふ意。
【高殿】国見をするための高い御殿。【煙】炊煙。【かまど】煮炊きをするための釜。
 
仁徳天皇はこの上ない仁慈の御徳の天皇であらせられた。即位直後難波の高津宮の高殿に登られ國見をされると、民の家から炊煙が上っていないので、貧しい暮らしをしてゐると思し召され、三年間徴税を免じられた。また雨漏りがひどいのに宮殿の修理もされなかった。そして三年後に再び國見をされると、炊煙が上がっているのを御覧になり大層喜ばれ、「朕(朕)すでに富めり。更に愁無し。……今百姓(おほみたから)の貧しきは、朕が貧しきなり。百姓富めるは、朕が富めるなり。…」(『日本書紀』)と仰せになった。
 
『日本書紀』においては百姓と書いて「おほみたから」と読む。「國民は天皇の宝である」といふのが天皇の國家統治の御精神である。そして天皇はこの御製をお詠みになった。この御製は『新古今和歌集』に収められてゐる。

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