2019年06月16日(日曜日)
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【台湾は日本の生命線】   注目の2020台湾総統選挙―国民党の勝利で台湾は中国に併呑されるか 永山英樹(台湾研究フォーラム会長)

■中国の言いなりとなったWHOによる台湾排除
 
WHO加盟は台湾の悲願だが、それが実現しないのは中国がWHO事務局や加盟各国に圧力をかけて妨害するからだ。台湾併呑を正当化するための「一つの中国」(台湾は中国の一部)原則を掲げるのが中国だ。もし台湾が加盟するとなれば、「一つの台湾、一つの中国」との現状、真実が国際社会に知れ渡るため、何が何でもそれに反対するわけである。
 
しかし「差別を受けることなく最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとっての基本的人権」(WHO憲章)である。だから台湾人もまた、それを保障されるのは当然であり、また台湾の不加盟による防疫ネットワークで空白が生じるのは台湾のみならず世界に悪影響を及ぼしかねない。そこで日本を含む一部の国々は毎年五月に開催されるWHO総会への台湾のオブザーバー参加を支持しているのだが、それすらいまだ実現していない。今年の総会にも台湾は招待されなかったし、台湾の参加提案を議題に入れることも否決された。
 
もっとも二〇〇九年から一六年まで、台湾はWHOから招待を受け、総会へのオブザーバー参加は果たしている。なぜなら当時台湾は「中台が『一つの中国』で合意したとされる『1992年合意』を認めた馬英九政権時代にあたる」(読売、5月21日)からだが、「92年合意を受け入れない民進党の蔡英文政権が発足して以降、2017年から3年連続でオブザーバー参加の招待状を受け取っていない」(同)というのが実情だ。
 
「中国が蔡政権に圧力を強めていることが背景にあるとみられる」(同)とも報じられるが、「みられる」というより、実際にその通りなのである。中国外交部報道官は五月六日、次のように説明している。
 
「中国台湾地区の国際機関への参与問題の上で、中国政府の立場は一貫し明確だ。つまり『一つの中国』原則の寺師処理すべきものなのだ。民進党は台独の立場を堅持するため、台湾のWHO総会への参加の政治的基礎を喪失させた。そこで中国は台湾地区の参加に反対すると決めたのだ」
 
この「中国台湾地区」とは何なのだ。驚くなかれ、WHOはすでに中国の影響下に陥っている。中国とWHO事務局との間では、台湾を招待するか否かは中国が決めると取り決めがあるのだ。民進党の蔡英文政権は国民党とは異なり、九二年合意(「一つの中国」原則)を認めていない。
 
なぜならそのような合意は実は存在しないし、国際法の観点で見ればわかることだが、「一つの中国」原則なるものも虚構だからだ。中国はそうしたフィクションに付き合わない民進党を、「台独」(中国を分裂させる台湾独立勢力)だと罵り、憎み、そして民進党との対話を断ち、台湾をWHOから締め出すなど、ありとあらゆる手で圧力をかけるのである。中国領土ではない台湾の「中国からの分離独立」という問題など存在し得ないのだが。
 

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