2019年08月26日(月曜日)
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【ストップ・ザ・左翼政局】    ダブル選挙に危機感の野党、候補一本化へ急転換   元文部科学大臣秘書官  鳥居徹夫

🔶一人区が焦点となる参院選 
 
 今年はイノシシ年である。イノシシ年は、統一地方選挙と参議院選挙があり、これまでも政局の節目となっていた。
4月に統一地方選挙が行われたが、その焦点は大阪都構想をめぐっての維新の会と、共産・立憲民主党・国民民主党および自民・公明の反維新連合軍の戦いであった。
この選挙結果は、維新が大阪府知事・大阪市長の両方を制し、府議会は単独で過半数制覇、政令市議会選挙でも大きく躍進し第一党を確実なものとした。
前回のイノシシ年は12年前2007年であり、首相も安倍晋三であった。
2007年参院選では、改選125議席のうち、自民が37議席という惨敗を喫し、野党民主党は60議席を獲得し参議院で第1党となった。安倍首相は選挙の1カ月半後に退陣表明した。
この年は一人区29のうち23選挙区で野党が勝利したのであり、選挙の帰趨は一人区の獲得議席がポイントとなる。
 
 6年前2013年の参議院選挙では、自民党は一人区31のうち、岩手と沖縄を除く29選挙区で議席を得たが、3年前2016年では一人区32のうち当選者は21名と後退し、野党系が11名となった。
2016年で野党が11勝と善戦したのは、一人区選挙区は民進・共産・社民・生活(小沢一郎系)が野党4党統一候補で一本化したからに他ならない。
 今年の改選者は、野党が競合した6年前2013年の改選組であり、一人区の自民党の苦戦は否めない。
 
🔶東京は立憲民主党が独占。壊滅状態となった国民民主党 
 
 民進党から枝分かれした立憲民主党は、国民民主党から議員引き抜きを公然化している。
 東京23区では、国民民主党所属の伊藤俊輔議員を、立憲民主党が引き抜いた。その伊藤議員は、立憲民主党から候補を立てられたら比例復活もおぼつかない。その選挙区は前回の総選挙で国替えさせられた櫛渕万里(元ピースボート事務局長)の本来の選挙区である。
3月末の「枝野ドクトリン(当面の活動方針)」は、次期衆院選の公認には「前回他党や無所属で立候補し、立憲民主党と政策理念を共有する人」も対象に含めると明記した。
実際に東京選挙区では、国民民主党からの出馬が予定されていた塩村文夏を立憲民主党の候補者に引き抜いた。そして立憲民主党から2人目の候補者を擁立し、国民民主党の擁立の余地を狭めることとなった。
東京では、国民民主党の国会議員は伊藤俊輔が引き抜かれゼロとなった。一方、立憲民主党は衆議院9名、参議院2名と独占している。
つまり首都東京では、国民民主党は壊滅状態にとなったのである。
「枝野ドクトリン」は、東京の流れを全国に展開し、国民民主党を追い詰めようとしたのではないか。
 
🔶無原則な野合、野党候補の絞り込みが加速 
 
 一方、野党側は一本化どころか、一人区に複数の候補者が出馬の動きもあり、共産党以外は候補者が決まっていない選挙区も5月連休前までは多かった。
 ところがダブル選挙の報道が加速するにつれて、「ダブルなら野党パンク」と危機感を小沢一郎らが煽ったこともあり、ここにきて野党陣営は、候補者絞り込みに急展開している。
これまで野党共闘に距離を置き、自党勢力の拡大を狙っていた立憲民主党の枝野幸男代表も方向転換した。
 
立憲民主党など野党5党は5月21日の幹事長・書記局長会談で、32ある一人区について28選挙区で候補者一本化に大筋合意したという。
共産党はすでに公認した候補者を20選挙区で取り下げた。
現時点で共産党候補への一本化は、福井と、合区の鳥取・島根、徳島・高知の3選挙区もとなった。
複数区でも、国民民主党が京都などで公認候補者を取り下げ、千葉などで公認候補の擁立を見送った。国民民主党の政党支持率は、4月末の旧自由党との合併後も1%台に低迷したままで、広島、静岡など現職議員がいる選挙区の守りとなっている。それは他党の支援を期待したいからではないか。
 
立憲民主党は、衆議院とのダブル選挙を警戒し、埼玉、神奈川の選挙区で2人目を断念した。また広島では、国民民主の現職との競合を避け、候補者擁立を見送った。
いずれにしてもダブル選挙の動きが急浮上したことから、一人区を中心に一本化を図り、野党が競合する複数区についても候補者調整が急ピッチで進めようとしている。
野党間には政策の一致もない。あるのは生き残りのための無原則な野合である。
にもかかわらず今回は、与党自民党は取りこぼしが多いとみられる。
それは統一地方選挙の直後の参議院選挙であり、自分の選挙を終えたばかりの地方議員の動きが鈍くなるからである。