2019年07月16日(火曜日)
ようこそ、ゲストさん。有料記事を見るにはログインが必要です。
 
 
ログイン情報を記憶

システム復旧致しました。

【タジカラオの独り言〜天岩戸を開くまで〜】   野伏翔

-少年院―
 
先月生まれて初めて少年院と言うところに入った。入ったと言っても勿論この歳で入院したわけではない。東京都青少年治安対策本部からの依頼で、少年犯罪を防止するための寸劇を上演するためである。敢えて名前は伏せるが東京の西のはずれにあるこの少年院は京王線の駅近くに位置している。
一度目の訪問は会場の下見と打ち合わせであった。院の敷地は普通の公立学校並に広く緑も多く、一見のどかな学園風景であり、近所は普通の住宅街である。だが周囲を二階の高さほどもある鉄骨と鉄条網で完全に覆われており、案内してくれた職員が門に鍵をかけるのを見て「こりゃ脱走は厳しそうだな」などとつい考えてしまった。
職員室に入って職員たちと挨拶の後、我々外部のものは全員携帯電話をロッカーに預けなければならない。理由は説明されなかったが、万が一少年たちの顔を撮影されてはいけないという少年保護のためと、紛失した場合にその携帯を手にした少年と外部犯罪勢力との接触を防ぐ目的もあるのだろうと推測される。
会場は所謂学校の講堂で、いつもの公演と変わらない音響や照明のチェックをしたが、院生たちとの接触はなかった。冬とは言え陽光の降り注ぐ外の渡り廊下を移動したが、校庭で体育の授業を受ける院生たちの体育会的な規律の取れた気合と号令が聞こえてくる他、各教室はしんと静まり返りっていた。ただどの教室の窓にも鉄格子がはめられており、我々を案内する教官がすべての部屋の出入りの度に施錠するので、やはりここは普通の学校とは違うという感じは受けた。
 

※記事の続きは有料会員制サービスとなります。

会員の方でコンテンツが表示されない場合は会費のお支払いが完了していないか、有効期限をご確認ください。