2019年10月18日(金曜日)
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【書評】 「中国と日本 二つの祖国を生きて」(小泉秋江著 集広舎) 三浦小太郎(評論家)

 
中国残留孤児には様々な記録が残されているが、これもまた貴重な証言が出版された。
著者の小泉氏は、中国国民党の軍医だった父と、満州の日本人学校で先生を務めていた日本人の母との間に、1953年に生まれている。もしも、両親が台湾に逃れることができていたら、彼女の人生は全く違うものになっていただろう。しかし、満州に生き、かつ、中国人の医師を必要とした中国共産党にとっては、彼女の両親を共産党政権になっても貴重な存在として迎え入れた。
 
現代中国史をそのまま生きた著者の人生は、まず、大躍進時代という飢餓の時代を体験した。毛沢東が党内右派を追放したのちに主導権を取り、1958年から始まった「大躍進政策」は、全く空想的な農業・工業政策、全土の人民公社化(簡単に言えば、急速な共産主義化を目指し、すべての生産手段を徹底的に集団化、国有化する)によって経済を完全に崩壊させ、4500万人ともいわれる大量の餓死者が続出した。
 
この部分を幼い時期に体験した著者の回想は、興味深い感想を漏らしている。

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