2019年06月20日(木曜日)
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【天皇御製に学ぶ  第二十八回】 四宮正貴

大正天皇御製
 
從軍者の家族を思ひて
 
御軍(みいくさ)に わが子をやりて 夜もすがら ねざめがちにや もの思ふらむ
 
明治三十年(一八九七)御年十九歳の砌に詠ませられたと承る。大正天皇は同じ頃に、次の御製を詠ませられた。
 
戰利品をみて
「武夫(もののふ)の いのちにかへし 品なれば うれしくもまた 悲しかりけり」
 
旅順閉塞隊
「大君に さゝげまつると をゝしくも ふねとともにや 身を沈めけむ」
 
決して勝利に驕られることはなく、のこされた家族のことを思いやられた御歌であり、戦ひに命を捧げし兵士のことを偲ばれた御製である。大正天皇の国民を思はれる仁慈の大御心が切々と伝はってくる。有難き限りである。
明治の御代における最大の国難は、清国とロシア帝国との戦いであった。この二つの戦ひは、清とロシアといふ大国からわが国独立を守る戦ひであった。それが明治の御代の精神であった。
 
保田與重郎氏は、その著『明治の精神』(「戴冠詩人の御一人者」所収)において「明治の精神は云はゞ日清日露の二役を國民獨立戰爭と考へた精神である」「明治の精神はいはゞ日清日露の二役を戰ひ勝たねばならぬ精神であった」と論じてゐる。

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