2019年03月20日(水曜日)
ようこそ、ゲストさん。有料記事を見るにはログインが必要です。
 
 
ログイン情報を記憶

システム復旧致しました。

【セキュリティこそ我が原点!18】 「バルセロナもやはりエキサイティングだった。(後編)」   地域セキュリティアドバイザー 栗林寿行

新年明けましておめでとうございます。
本年度もよろしくお願い申し上げます。
聞くところによると、毎月私のコラムを読んで下さる方が結構いらっしゃるとの事で嬉しい限りです。
 
今年は、2月と春に講演を予定しております。
今後の日本は、今までと違った犯罪が起きて来るでしょう。
犯罪に対しての対応能力がある人が生き残れる厳しい時代になる可能性があります。
読者の皆様が犯罪に巻き込まれる事のない様お祈り致します。
 
それでは、スペイン バルセロナ後編是非お読み下さい。
 
 
ホテルに入る瞬間に、男が紙を見せながら、私とプロデューサーに話しかけて来た。
どうやら何か聞きたかったらしい。
紙を見ると解読不可能な文字???
解らんとプロデューサーと目と目を合わせていたら、後ろから音声さん(女性)が「なにすんですか!」と叫んだ!
振り返ると、一人の男がカメラを引ったくろうとしている。
私は反射的に、「この野郎!」と怒鳴り付けた。
男は、ひったくりを諦め逃げ出した。
同時に、私に最初話をかけて来た男とその他近くにいた男と計三人が一斉に
逃げ出した。
 
なるほど、これが奴らの手段。
一人でなく、数人グルでのひったくり行為。
 
めったに、戦闘モードにはならない仏の様な私だが、怒りのスイッチが完全に入った。
現在進行形の犯罪者だ!
こちらも、躊躇なく対応させていただく!
 
私たちに、声をかけて来た奴を追いかける。
走る!走る!走る!
やはり、こんな時は逃げる方は必死だ。
とにかく、逃げ足が早い!
私は、どなりまくって追いかけていたので通行人の注目の的だった。
「待て!この野郎!オラー」
その時、何故か一瞬ひったくり野郎の動きが止まった。
後少しだ!という事で再び逃げ出し結局はひったくり野郎には逃げ切られてしまった。
 
気が付いたら、ホテルからかなり離れた所まで追いかけていた。
逃げてしまったが、被害は無かったのだから、それで良しと無理矢理自分を納得させてホテルに戻る。
(それにしても、足でも蹴って転ばせて思いっきり踏みつけてやりたかったなあ。
でも、なんで、奴は一瞬走るのをやめたのかが凄い疑問であった。)
 
ホテルに戻ると、みんなが出迎えてくれた。
カメラの中にはVTRが入っており、もし、ひったくられていたら、再度撮り直しの事態になり大変な事になりそうだった。
 
プロデューサーさんや、スタッフの皆さん、局アナさん、タレントさんの皆さんから感謝された。
 
コーディネーターさんが、長年バルセロナに住んでいるが、犯人は間違いなくジプシーで、このひったくり方法は常套手段と言う事を教えてくれた。
 
冷静に考えたら、もしかしたら相手は武器を携帯していたかも知れない。
本当に無事にすんで良かった。
 
翌朝、コーディネーターさんが、私の所に来て「実は、あれから皆さんと食事して部屋に戻った瞬間に、ひったくりの出来事が蘇りいきなり足腰が抜けてブルブル震えが止まりませんでした。」と教えてくれた。
私は「もう大丈夫!今度懲りずに又来たら、犯人達がこの世に産まれて来た事を後悔させますから。」
と言った。
犯罪は、解決して終わりではない。
被害に遭ってしまった人は場合によっては、トラウマになってしまう事があるのだ。
今も、コーディネーターさんが、バルセロナで毎日元気よく仕事をしている事を願うばかりである。
 
疑問に思っていた、何故?いきなりひったくり犯人は追跡中に足を止めたのか?
原因が、わかった。
私が怒鳴りながら出していた言葉。
コーディネーターさんが言うには、
オラー!ではないかとの事だった。
私にとっては、怒鳴り声でも、スペイン人にとっては、オラー=こんにちは!である。
おそらく、あの状況で、いきなり普通に挨拶をされたから、一瞬戸惑ったのではないか。
なるほど、それならば、辻褄があう。
 
ロケは無事に終了して、我々は、帰国の途につく。
タレントさんがいるおかげで、トランジェントのスイス空港でも、税関に並ぶ人を横目に職員専門のゲートから乗り継ぐ、いい感じだなあ。
その時、空港の男性職員が俺だけを呼び止めた。
何も無くても職員に呼び止められるのは嫌なもんである。
めんどくせぇなあと思いながら、職員に顔を向けると「試合があったか?」いきなりの質問に私はピーンと来なかった。
すると、職員は、私のTシャツを指さした。
私は、格闘技系のTシャツを着てた。
なるほど、普通の税関ではなく、V lP待遇で職員専門ゲートを通ったから私が日本の有名な格闘家と勘違いをしたらしい。
前を見るとなかなか来ない私をスタッフさん、局アナさん、タレントさんが心配そうに見守っている。
事実は、別としてこの瞬間は、俺は職員の注目の的だ。
日本のタレントさんより、この場は、私が注目の的になるのは、正直気分が良かった。
そうだ!俺は日本の有名な格闘家なんだ!
だから、夢をみせてあげよう。「試合だ。試合があったんだ。」
格闘技好きな職員は興奮気味に
「勝ったのか?」
「勝った!KOだ!俺は強いんだ!」
と接続詞の無い、主語のみの独特の英会話スタイル(早い話が英会話が出来ないだけだ。)で一気にまくし立てた。
職員は、大喜びで私に握手を求めて来た。
私も笑顔で握手返してあげた。
スイス空港の格闘技好き職員にしばしの夢を与えるのも悪くない。
振り返ると話を聞いていのか数人の職員も私に笑顔で手を振っていた。
 
しかし、疑問だ。
一体、日本の格闘家の誰と勘違いしていたのか?