2018年12月16日(日曜日)
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なるほど納得政経塾㉚ 「やはり近代文明国ではなかった韓国」 神奈川大学経済学部教授 経済学博士 小山和伸

先月30日、韓国の最高裁判所は「半島労務者」に対する日本企業の賠償責任を認める最終判決を下した。(半島労務者は「徴用工」と表現されることがあるが、これは誤りである。彼らは決して徴用されたわけではなく、企業の募集に応募して採用された工員だからである。軍属でもない慰安婦を「従軍慰安婦」などと呼称していた間違いによく似ており、その呼称そのものの中に、強制性を含意しようとする韓国人等の意図が隠されていることを看過してはならない。)
 
半島労務者らへの未払い給与等に関しては、昭和40年(1965.6.22)締結の「日韓基本条約」によって完全かつ最終的に解決している。この際、本条約の内容と経緯について復習しておくことにしよう。
 
日韓基本条約をめぐる交渉は、戦後日本が独立主権を回復する一年前から予備交渉が始まっている。つまり、本交渉13年と合わせると14年間も交渉していたことになる。ちなみにこの長い日韓交渉の過程において、慰安婦に関する発言は日韓双方から一言もなされていない。未だに「20万人の若い女性達が一般家庭から、日本兵によって連れ去られた」と、韓国政府は「強制連行説」を主張しているが、では何故14年間にも及ぶ日韓交渉において慰安婦関連の発言が韓国側からも一切無かったのであろうか。それは慰安婦(戦地売春婦)が対価を得た商行為であったことを、当時交渉に当たった者は皆よく知っていたからに他ならない。
 
さて、日韓交渉の入り口でもめたのは、韓国側が「対日戦勝国」を執拗に主張し、戦争賠償金を要求した事案である。韓国は大東亜戦争中日本国の一部であったのだから、日本と韓国が戦争をするはずはない。第一大韓民国なる国家は、戦後に日本から独立して出来たのだから、どうして時間を遡って戦争が出来るというのか。日本側は、「対日戦勝国」の主張を受け入れず、「戦争賠償金」ではなく「独立祝賀金」および「発展途上国支援金」として、以下のような経済支援を行っている。
 
無償援助3億ドル、有償援助2億ドル、民間借款3億ドル、合計8億ドルである。これを韓国側は、賠償・補償・経済協力金と発表した。一方日本が朝鮮半島に残した残存資産53億ドル分は米ソに接収され、その後北朝鮮と韓国側に渡っている。独立当時の韓国国家予算が3.5億ドルで、日本の外貨準備高が18億ドルであったことを考えると、いかに多大な援助であったかが分かる。この背景には、韓国側の卑劣極まる人質外交があったことを忘れてはならない。
 
韓国初代大統領李承晩は、日本が独立主権を回復する間際の昭和27年(1952.1.18)、突然「海洋主権宣言」により、竹島を含む広大な公海に主権を主張し、日本漁船の拿捕と日本漁民の拉致・抑留を始めた。日韓基本条約締結までの13年間に、拿捕された日本漁船は328隻、抑留漁民は3,929人に上った。日韓交渉は、こうした環境下で進められた。
 
今回特に銘記すべきは、援助金の支払い方法とその使途である。日本側は、対日請求権のある韓国労務者らに日本政府が直接補償することを要求したが、韓国側は個人補償については韓国政府が行うから、支援金を一括して韓国政府に支払うよう要求した。
 
このため、日本政府は支援金を一括して韓国政府に支払った。しかしこの資金の殆どは、個人補償に当てられることがなかった。支援金の94.6%はダム、鉄道、港湾施設、製鉄所、発電所、などの公共事業投資に使われ、漢江の奇跡と呼ばれる経済発展をもたらした。この際、大勢の日本人技術者が技術指導に誠意を尽くしていたことも忘れてはなるまい。
 
肝腎の個人補償には、支援金の僅か5.4%が支出されたに過ぎない。だから、「俺はまだもらっていない」という旧労務者がたくさん出てくるのは道理である。しかし、彼らへの補償義務が韓国政府にあることは、ことの経緯からして自明である。一言で言えば、今回の韓国最高裁の判決は、国際条約を破って補償金の二重取りを企む下劣な判決である。