2018年08月19日(日曜日)
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西村眞悟特別寄稿「朝鮮半島緊迫の今こそ、ポーランドとクリミアに学ぶべき火事場泥棒中露の動向」

 平昌オリンピックの後、再び北朝鮮情勢に関心が集中しているが、現在の南シナ海情勢こそ注目すべきである。即ち、一眼は朝鮮半島を見つめ続け、他の一眼は、必ず、南シナ海と東シナ海に注がれていなければならない。さらに、言えば、北のロシアこそ、南シナ海の情勢と連動して動く危険な要因であることを忘れてはならない。つまり四方が海の我が国は、360度を監視するレーダーのように、目を東西南北に見開いていなければならないのだ。

 遙か西方のポーランドは、西のドイツと東のロシアに挟まれた国家である。この西のドイツと東のロシア(ソビエト)が、一九三九年八月に独ソ不可侵条約を締結した。すると直ちに翌九月、ドイツが西からポーランドに侵攻し、これを見たロシア(ソビエト)が東から同国に侵攻して、同国はドイツとロシアによって、分割された。ロシアとは火事場に臨んでは、こういう性癖をもった国である。従って、我が国は現在、同じく火事場泥棒専門の南の中共と北のロシアに挟まれていることを知るべきである。それ故、南シナ海で中共が侵略を拡大すれば、必ず北のロシアも動き出す。具体的に言えば、北海道を盗りに来るのだ。ロシアの「ウラジーミル」は、安倍総理と親密な関係にあると日本だけが思っている最中に、北方領土の国後と択捉にミサイル基地を建設し、中共の習近平主席による対日戦勝利七十周年の軍事パレードに出席していたではないか。彼は、ソチオリンピック直後に、ウクライナからクリミアを武力で強奪したKGB上がりの男であることを忘れてはならない。

 現在中共は、南シナ海の南沙諸島の岩礁を埋め立てて、既に三つの一万フィートの滑走路を造成し、ミサイル基地も建設済みである。つまり、我が国は、南北から中共とロシアのミサイル基地と軍事基地に挟まれているという訳だ。そして、この中露両国は、一昨年、南シナ海で合同軍事演習をしている。その際、ロシアの軍艦がまず我が国の宮古島の領海を通過し、続いて中共の軍艦が通過した。また、我が国の航空自衛隊が行ったスクランブル発進回数を見れば一目瞭然だ。平成二十八年度は史上最多のスクランブル発進となった。全部で1168回、その内、対中共軍機は851回、対ロシア軍機は301回、対台湾8回、対北朝鮮は0である。

 これらの事態を総合すれば、中露は連携して南と北から我が国を圧迫しつつあり、さらに我が国を同時に挟撃する軍事力を充実し、かつてのポーランドのように我が国を南北から分断する体制を整えつつあると判断される。
 さて、この情況を、第二次世界大戦勃発に至る道程のなかに位置づけるとすれば、それは、どのポイントであろうか。私は、一九三六年三月の、ヒトラーのラインラント進駐段階ではないかと感じる。これはベルサイユ条約で決められたラインラントの非武装の約束をヒトラーが踏みにじり軍隊を進駐させたものであるが、問題は、イギリスやフランスが、これを見て見ぬ振りをして傍観したことである。この英仏両国の傍観が、ヒトラーの戦争へのバネを与え三年後のポーランド侵攻に至るのである。

 よって、この歴史の教訓から我が国は何をすべきなのか。それは、断固として傍観せず、中共の南シナ海侵略を許さないと国家の興廃をかける決意で相手に示すことである。同時に、アメリカは、フィリピンのスービック基地に戻らねばならない。このスービック基地が、ヨダレを流している中共の使用するところとなれば、南シナ海とフィリピンは中共の掌中に入り、将棋倒しのように台湾と沖縄は中共に呑み込まれる。この南の動きに北のロシアが連動して北から動けば、我が国は万策尽きるのだ。かつて、イギリスとフランスの傍観をバネにして、急速に力を蓄えたヒトラーのように、この五月、共産党独裁の個人崇拝を復活して毛沢東になろうとしている習近平の中共は、最も危険なモンスターになりつつある。
 しかし、今からでも遅くはない。我が国は、日米連携して断固として中共の南シナ海侵略を阻止しなければならない。日本国民と我が国の陸海空自衛隊は、それを為す力があると確信している。