「昭和天皇も退位をご検討」
村田春樹
先帝陛下昭和天皇も退位を真剣に考えられていたのである。特に昭和二十三年十一月の東京裁判最終判決(死刑七名)から十二月二十三日の死刑執行前後には真剣に悩まれたようである。しかし、昭和天皇は敢えて「在位」という苦難の道を択ばれた。そして昭和天皇は国民に謝罪をし、さらに退位をせず、天皇として引き続き国家再建に挺身する、という趣旨の、所謂謝罪詔勅が検討されていたのである。その詔勅は結局お蔵入りとなったが、その未発表原稿がなんと平成十五年になって発見されたのである。その幻の謝罪詔勅原稿に昭和天皇の苦渋が如実に現れている。(原文カタカナ、カッコ内は村田抄訳)
「朕、即位以来茲に二十有餘年、夙夜祖宗と萬姓とに背かんことを恐れ、自ら之れ勉めたれども、勢いの趨く所、能く支ふるなく、先に善隣の誼を失ひ延いて事を列強と構へ、遂に悲痛なる敗戦に終り、惨苛今日の甚しきに至る」
(即位以来二十数年、努力をしてきたが、大勢に抗し得ず敗戦に至った。)
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