日本への回帰 万世一系の天皇1
展転社編集長 荒岩宏奨
昭和二十一年元旦の詔書
昭和二十一年元旦、昭和天皇が渙発あそばされた詔書が新聞紙上に掲載された。
その詔書は「茲ニ新年ヲ迎フ。顧ミレバ明治天皇明治ノ初國是トシテ五箇條ノ御誓文ヲ下シ給ヘリ」とした上で、五箇条の御誓文を掲げることから始まっているのだが、次の箇所により、「人間宣言」という呼称が定着している。
《朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ》
この箇所が、昭和天皇が神話を否定し、現御神(あきつみかみ)であることを否定なされたと解釈され、「人間宣言」と呼ばれるようになってしまった。三島由紀夫は『英霊の聲』で「などて天皇(すめろぎ)は人間(ひと)となりたまひし」と投げかけているのだが、はたしてこの詔書で本当に天皇は神格を否定あそばされ、人間となり給うたのだろうか。
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