「まさかのクーデター」悪夢が現実に 村田春樹


「まさかのクーデター」悪夢が現実に

村田春樹

 

三月十九日の各紙は「退位特例法の今通常国会成立へ」と一面で伝えている。愈々悪夢が現実になってきた。内閣法制局が「今上陛下一代限りの特例法であれば憲法に抵触しない」との見解を出したので、与党はそれに乗って、一代限りの特例法を主張し、野党は皇室典範の改正を主張していた。ここにきて典範の付則に「特例法は典範と一体を成す」との文言を入れることで妥協がなされたようである。

そもそも典範とは

 もし今回の八月八日の御言葉が無かったら、今どうなっていただろうか。特例法はもちろん典範改正も誰一人口にしていない筈である。ということは御言葉そのものが憲法第四条「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」に抵触し、間違いなく憲法違反であることを如実に物語っている。皇室典範も法律の一種であるから、特例法でも典範改正でも、どちらにせよ明瞭な憲法違反であることにかわりはないのである。そもそもなぜ「典範」と称するのか。明治二十二年の制定の時、法律とは臣下を規制掣肘するものであり、皇室に使用するのは畏れ多い、とのことで「典範」と称することになったのである(他にも理由はあるが省略)。「典範」という敬称敬語を使いたくない学者は皇室法と呼称する。代表的な例を挙げれば、園部逸夫(元最高裁判事)は自著を「皇室法概論」と称している。ついでだが彼は、平成十六年皇室典範改正の有識者会議で座長代理を務め、女系容認論を小泉内閣に答申している。さらに彼は今回の譲位の有識者会議によるヒアリング対象者十六人の中に入っており、譲位賛成論を述べている。(十年前は否定的だった)脱線するが彼は平成七年三月に最高裁小法廷で外国人参政権容認の傍論(判決は参政権を否定)を書いたことでも有名である。

政府はなぜ陛下の御意向に反対したのか

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