2017年06月24日(土曜日)
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南支那海「仲裁判決」に反撥する台湾に問題はないか

南支那海「仲裁判決」に反撥する台湾に問題はないか

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南支那海のほぼ全域を囲い込むU型の九段線を設定し、その内側海域の管轄権を主張する中国。そうした一方的な行為は認められないなどとするフィリピンの申し立てを受け、ハーグの常設仲裁裁判所は七月十二日、九段線に法的根拠はないと認定し、あわせて中国が造成した人口島も島ではないとする裁定を下した。
国際法に基づく海洋秩序に挑戦する中国覇権主義の不法性を、国際司法が認定した瞬間だった。
これを受けて中国では指導者層から御用メディアに至るまで反論のオンパレードとなった。
「南海諸島は古来中国領土。仲裁判決に基づくいかなる主張、行動も受け入れない」(習近平主席)
「裁判は徹頭徹尾、法という上着を着用した政治騒動。その本質を徹底的に暴きだしてやらないといけない」(王毅外交部長)
「所謂仲裁裁判はフィリピンの違法行為と不法な訴えに基づくもの。その存在に合法性はない。いかなる判決も徒労であり無効だ」(外交部)
「どのような判決が出ようと、中国軍は断固として国家の主権、安全、海洋の利益、権利を守り、地域の平和と安定を守り、そして各種の脅威や挑戦に対処する」(国防部)
フィリピンや仲裁裁判所に対し、国際法違反だと糾弾する中国のこの無法ぶりを見よ。こうした狂気すら感じさせる身勝手な姿勢には、中華民族主義を支える伝統的な王土思想がしっかりと反映されているのである。
つまり「普天の下、王土にあらざるなく、率士の浜、王臣にあらざるなし」というあれだ。世界の土地と人民はみな中華皇帝の支配を受けるべきであるとする古代の天下(世界)観。それがあの国の覇権主義の正体でもある。
こうした古代思想と現代文明とが今、ぶつかりを見せているのだ。

(2)

中国は自国に不利な裁定が下されるのを見越し、その前日まで南支那海において、南海、東海、北海艦隊による大規模な軍事演習を実施した。

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