2017年07月28日(金曜日)
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マリの喫茶室(2) 痴漢冤罪

マリの喫茶室(2) 痴漢冤罪

【痴漢冤罪】
最近、痴漢と言われた男性が逃げる途中、相次いで亡くなられた。一人は線路に逃げて電車にひかれ、もう一人はビルから飛び降りた。
なんとも痛ましい事故で、もし自分の家族だったらと思うとやりきれない。

痴漢と言われたら、逃げるしかない、駅長室に連れていかれたら、もう終わり、冤罪でも痴漢犯人とされ、人生が終わってしまう、そう考えている男性は多いのではないか。

「無実の証明」は「悪魔の証明」とも言われる。痴漢と言われたら、無実を証明する方法がないのだから。

周防監督の痴漢冤罪を描いた映画「それでもボクはやっていない」は衝撃的な社会派映画だった。痴漢と間違えられたら、人生が一変してしまうことを実証的に描いた。
公開が2007年。つまり10年前だ。ところが10年たっても状況が全然変わっていないことが、今回の報道で改めて浮き彫りになった。

【同僚のケース】
2年ほど前、私の同僚が帰宅途中の電車で痴漢容疑で捕まった。ダンディで明るい男性で、奥さんも娘さんもいる。痴漢をするタイプには全く見えない。
警察に突き出され、取り調べを受けた。
「やっていない」と否認し続けたところ、なんと新聞に実名報道されてしまった。
2日後、彼は、「やったかもしれない」と認めたので、ようやく釈放された。

その後、弁護士を通じて示談をしようとしたところ、相手の女性が接触を拒否、このため、不起訴にもならず、宙ぶらりんの日々が続いた。
一方、会社では、閑職に追いやられた。
時々訪ねると、「とても怖かった」「あれ以来電車に乗るのが怖い」と言っていた。ある日突然、人生が暗転したのだ。人生には「まさかの坂」があるという。彼は、とても辛い日を送っているのだろうと心が痛んだ。

その後、半年以上たって、ようやく示談が成立し、不起訴処分になった。会社では、痴漢の罪で6か月の停職処分になった。もちろん無給である。

否認し続けたら裁判になっただろう。痴漢を認めたから、釈放され不起訴になった。なんだか変な話だが、無実を主張し続ける方が失うものが大きい。刑法の「強制わいせつ罪」のような重罪は別として、通常痴漢は都道府県の迷惑防止条例違反だから罪を認めて相手方と示談をすれば不起訴になることが多い。

今、彼はようやく職場復帰できた。痴漢と言われた日から1年半が過ぎていた。

【痴漢冤罪対策】
痴漢冤罪には、①人違い(痴漢犯人は別にいた)、②勘違い(カバンが触ったとか)、③痴漢冤罪詐欺(金銭目的の女子高校生グループもいるそうだ)の3パターンがある。

いずれにせよ、普通のサラリーマンが、いつどこで痴漢犯人にされるのか分からないから怖い。

今年3月、東京メトロと都営地下鉄が電車内に防犯カメラを設置すると発表した。痴漢の抑止、痴漢冤罪防止にも効果があると期待される。

また、最近、痴漢冤罪保険への加入者が急増しているという。痴漢と間違われたら「逃げるより弁護士を呼べ」である。電話をすれば、24時間いつでも弁護士がかけつけてくれる。月額500円くらいなので、もしもの時に備えて入ってる方が安心できるかも。なお、冤罪でない場合は保険適応外だそうだ。

痴漢と間違われて死ぬなんて、本当に悲しすぎる。痴漢撲滅、痴漢冤罪撲滅!

 

(JR東日本:痴漢撲滅キャンペーンポスター2013より)