shohyo「書評」

新刊紹介 『ウイグル人の考える幸福の智慧 ウイグル古典哲学の神髄 ユスプ・ハス・ハジプを読む』(ムフタル・アブドゥラフマン著 三浦小太郎監修 宗教問題発行 三浦小太郎(評論家)

 アジアの古典哲学のうち、中国のそれは孔子や諸子百家以後、多くのものが日本に紹介されている。そして、まだまだ不充分とは思うが、インドの思想も多少なりとも翻訳されている。しかし、中央アジアの古典については、いまだほとんど紹介されていないのが実情である。本書は11世紀のウイグル人哲学者であり、カラハン帝国の法務大臣だったユスプ・ハス・ハジプ(101985)が著した ウイグル古典哲学の名著『幸福を与える智慧』のわかりやすい解説書であり、これまでほとんど日本には知られてこなかったウイグルの思想を伝える貴重な一冊となっている。

 

 著者のムフタル氏は日本在住のウイグル人で、2005年まではウイグルのウルムチにて学校の先生をしていた。2005年来日、旧集団学大学院人文科学研究院倫理・哲学研究室に留学。現在は日本ウイグル協会の理事を務めるとともに、日本の有志とともに民間研究組織、ウイグル人文科学研究院を設立、ウイグルの文化を日本に伝えるため努力している。本書はムフタル氏の最初の著作であり、大学院時代の研究論文をもとに書き下ろしたものである。

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