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ソウルの日本大使館前で日章旗を振る  宮塚利夫(宮塚コリア研究所所長)

 9月5日に韓国・ソウルにある「韓国プレスセンター19階」で「第二次慰安婦問題 日韓共同シンポジウム」に参加することができた。このセミナーは慰安婦問題で強制連行説や性奴隷説を否定し”真実究明”を主張する日韓共同セミナーであった。さらには、韓国の小中高教科書の慰安婦記述の実態と対策についての発表もあった。翌6日には旧日本大使館跡の前にある慰安婦少女像を前に、慰安婦問題支援の「挺対協」を継ぐ「正義連」が主催する「水曜集会」に対して、彼らを「反日商売の詐欺師!」と糾弾する団体の集会に参加した。わが一行が現場に着くと支持者たちから歓迎され、日章旗(日の丸)と太極旗の小旗を渡されたが、私にはさらに大きな日章旗を渡され、弁士の訴えの声調に応じて日章旗を大きく振った。私が韓国の大学院に留学して今年でちょうど50年になるが、まさか自分がソウル市内で日章旗を振り回すなどと言うことは夢にも想像できなかったことで、演壇には星条旗も高々と掲げられていた。

 その後、ソウル中心部・南山公園の慰安婦問題を記憶する広場「記憶の場」で小さな集会が持たれ、私らも参加した。この広場には元慰安婦追悼するモニュメントが設置されていたが、前日の5日にソウル市が撤去したばかりで、撤去地跡には僅か1日で芝生が植えられていた。この記憶の場には林玉相氏の作品「大地の目」など、少女が連行される様子を描いた絵や元慰安婦247人の指名が彫られ、2016年に完成したものであった。なぜ撤去されたのか。なんと、このモニュメントの政策を担当した林氏が強制猥褻の罪で起訴され、8月17日に一審で有罪判決を受けたことを踏まえた措置とのこと。林氏は自身の研究所の女性職員を抱き寄せキスしたなどとして在宅起訴されていた。この措置に対し元慰安婦の支援団体などは「日本の過ちを消すことになる」として、作品撤去に反対する運動を展開していたが、呉世勲市長は「セクハラを認めた作家の作品撤去を拒むのは、(女性運動を行う)団体の存在理由を自ら否定する行為」と反論し、「作品をそのまま残しておくことは慰安婦を侮辱し、国民感情にも反する」と説明した。

 一方、この最強の反日団体だった元挺対協の代表だった尹美香国会議員が、9月1日に都内で朝鮮総連東京本部が主催する「関東大震災朝鮮人虐殺100周年東京同胞追悼会」に韓国代表団の一員として参加したが、同日開催された韓国大使館と在外同胞庁が後援した民団東京が主催した「第100周年関東大震災韓国人殉難者追悼記念式」には欠席した。追悼会では韓国政府を「南朝鮮傀儡徒党」と非難しているにもかかわらず、尹氏は黙認しており韓国の世論に叩かれているそうだが。民団中央は9月4日に国会議員尹美香氏に対して辞職を要求するとともに、韓国当局が同氏と反国家的勢力とのつながりを徹底的に調査することを求める談話文を、呂健二団長名で発表した。尹氏は金正日総書記が死去の際、弔電を送るなど親北朝鮮派だったことは知られた事実である。談話文で「韓国の国是であり、民団の理念でもある『自由民主主義』を守護するためにも、尹美香議員が北韓に従属する朝鮮総連の行事に出席した行動は厳しく問われなければならい」と糾弾している。旅行3日目の9月7日に「ナヌムの家」に行って元慰安婦との面談があった。現在この家には3人の元慰安婦がいるとのこと。わが一行は、ナヌムの家とその施設(歴史館)の見学だけだろうと思っていたら、なんと、案内の女性の方が「少しお待ちください。今元慰安婦の方をお連れしますので」と言うではないか。しばらくして連れてきた方が「トランプ大統領に抱きつき」、セミナーでも「一番の嘘つき慰安婦」と紹介されていた「李容ス(サンズイに朱)」さんだったのでこちらが驚いた。92歳とか。かつらを被っているのか茶色の髪の毛の下に白髪が見えていた。彼女の証言はころころ変わるので今更新たな事実を聞くことはないと思っていたので、私は別に彼女の話を聞こうとは思わなかったが。