araki「拉致問題の闇を切る」

「思考停止」の快感  荒木和博(特定失踪者調査会代表)

 先日李泰炅(イテギョン)さんという脱北者の方が書かれた著書『囚われの楽園』(ハート出版)という本に解説を寄稿しました。著者は下関出身の元在日朝鮮人。小学校2年生のときに家族に連れられて北朝鮮に渡り、多くの帰還事業で渡った人々と同様の厳しい体験をされながら、在日としては極めて希少価値である人民軍への入隊、そして除隊後医師になるという経歴の持ち主です。機会がありましたらぜひご一読下さい。

 その中にこんな一節があります。

 「北朝鮮での生活はとても単純だ。毎日決まった時間に起きて、各自に任せられた仕事をして夜家に戻る。統制と監視者がいない空間で緊張を解き、家族と食事をして話を交わし、十時に寝床につく。自分の頭で考える必要がない。全てのことは党が決定し、それに従えばいい。従わなければダメだ。先んじても遅れてもならない。自分の頭で考え、少しでも創意性を持って動けば批判を受ける。頭の良い人ほど逆転した社会がきちんと見えなくなる」

 同じような台詞が映画「かぞくのくに」に出てきます。この映画は息子が帰還事業で北朝鮮に渡った在日朝鮮人の家族を描いたもの。劇映画ではありますが監督のヤン・ヨンヒさんの私小説的作品で、役者を使ったドキュメンタリーとも言えるものです。映画では父親役が津嘉山正種さん、母親を宮崎美子さん、主人公である娘、つまりヤン監督の役を安藤サクラさんが演じています。

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