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【論説・コラム】小渕元首相を彷彿させる岸田首相の意外感

※イメージ画像

 

岸田首相の政権運営が何やら右肩上がりになりつつある。政権発足時の支持率はさほど低くなかったものの、安倍晋三・菅義偉の両氏に比べ没個性的で政治的信念も伺えない負の要素が、かえってリベラル勢力からの好感を取り込んだに過ぎなかった。これまで、積極的に岸田氏に期待する雰囲気はなかった。

 

没個性という点で思い出されるのが、20年以上も前になる小渕政権である。1998年7月の就任時、NYタイムズ紙に「冷めたピザのように魅力がない」と揶揄された小渕恵三元首相は、24.8%(時事通信)という稀にみる低い支持率からのスタートとなった。そんな期待値の低さがかえって幸いし、2年弱の期間中、発足時の支持率を下回ることなく安定政権を維持した。

 

いざ首相になると、誰も期待していなかった行動力を最大限に発揮。ブッチホンと呼ばれた数々のコンタクトや頻繁な外遊。政策課題への飽くなき情報収集などなど、「努力」と「親しみやすさ」で地味な外見をカバーし、無難な政権運営を続けた。体力的な無理が限界に達し、最期は脳梗塞による急死という悲劇的な結末を迎えたが、参院選で惨敗した橋本龍太郎政権の後を受けた難しい局面を見事に打開した手腕は見事だったといえる。その後の森喜朗政権が終始低空飛行だったことと比較しても、高い評価に値する仕事ぶりだったといえる。

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