kokutai「日本への回帰」「揺るぎなき国体」

【日本への回帰】 後鳥羽院の菊と刀  荒岩宏奨(展転社代表取締役)

 「菊と刀」と聞くと、ルース・ベネディクトの『菊と刀』を連想する人は多いのではないだらうか。ルースはこの著で「恥の文化」と定義して戦後日本に大きな影響を与へた。ここでこの著書『菊と刀』を論じようとするのではないが、このタイトルは興味深い。菊は美をイメージし、刀は武をイメージすることができる。この美と武といふ、西洋人にとっては一見相反するふたつを並べて、矛盾する日本人の民族性を示したことは卓見である。

 日本人は武を美に昇華させ、相反するふたつを融合させることができた民族である。また、日本人は外国文化を受け入れながらも、そぐはない点は排除して、日本独自の文化を築いてきた民族でもある。この事実は西洋人には奇妙に映るのかもしれないし、日本人でさへ理解しにくい。

 日本人も西洋人も、おそらく菊や刀を日本の象徴と捉へることに違和感はないと思ふ。菊は皇室のご紋章で、刀は武士の象徴といへるからだ。

 『古事記』の神代には、矛や剣のことが記されてゐる。矛は刀と結論づけることはできないのだが、日本武尊が絶命のときに草薙剣を「少女の床の辺に我が置きしその太刀はや」と詠んでゐることから、剣は刀だといふことはできる。この剣は、須佐之男神が大蛇を退治したときに出てきたので、刀は神代から存在するといふことになる。

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