the-diet国会

「異次元」の少子化対策 佐藤克男 会社経営者

正月早々、岸田総理の大ぼらかと思ったのは小生だけではないと思います。 一昨年の総裁選挙の折りの会見で「所得倍増」とアドバルーンを揚げたのは誰で したか?あの所得倍増とは何だったのでしょうか? 今となっては、単に言葉遊びだったのかと思えてしょうがありません。

この度の「異次元」の少子化対策という言葉も、即、岸田総理の側近とも言われている、甘利明税調顧問から財源は「消費増税」からと間の抜けた発言が飛び出しております。甘利氏は大企業との繋がりは深いですが、中小企業との繋がりは浅いと言うより、全く気薄な政治家です。だから選挙に弱く、地元から見放されているのです。今度は選挙区を変えるとの報道がありましたが、選挙区を変えても、同じ結果だろうと地元では観測されております。現に小生は甘利氏選挙区の地元民だから分かるのです。

消費税とは、利益があろうがなかろうが、10%も天引きされる税金です。大企業は、増税になった分を原価低減という名目で下請けの中小企業に値引きを要 求し、自分たちの利益は確保するが、中小企業は塗炭の苦しみを味わっていることを、この税調顧問の甘利氏は地元の中小企業を回らないからわからないので す。

岸田総理は「異次元」という表現をされましたが、「異次元」というのは、例えば、日本人が一人子供を産んだら一千万円の「出産祝い金」を支払いましょうぐらいのことを、「異次元」というのです。

小池知事の言うお一人様毎月「5 千円」とは、異次元でもなく、お小遣い程度 でしょう。

異次元と見栄を切ったなら一人出産するごとに一千万円、三人目からは二千 万円ぐらいの対策を「異次元」というのです。これなら、もう打ち止めしていた 夫婦も、「もう一回挑戦!」ということになるのではないでしょうか?

団塊の世代は自然発生的に出来ちゃった現象でしたが、今度は意図的に「第二 次団塊世代の創成」を企画して実行することです。

最初の団塊世代は、労働力としての貢献、そして意欲的な購買力として、数十 年間も我が国の力となったのです。この団塊世代の最後の経済的貢献は葬儀産業となります。団塊世代がこの葬儀産業をけん引することでしょう。

すぐに、政治家やマスコミはこの「一人一千万円」の財源は何処からとなります。先ほどの甘利氏のような政治家は、考えれないのでしょう。我が国は、戦後経済の復興に国債を発行しました。この国債を償還したのも、団塊の世代を中心とした、労働力であり、購買力が償還したことを忘れてはいけません。小生は地方都市の首長経験者です。地方自治では、何十年もかけて公債を払い続けているのです。 建設国債も同じです。防衛に建設国債を充てたらという分からないことを主張 する政治家もいるようですが、安倍元総理ははっきりと「防衛国債」をと提言さ れておられました。

この少子化対策の「一人一千万円」は「少子化対策国債」を起債するべきです。 消費税を充てるなど愚の骨頂です。我が国の将来のためです。 因みに、出産人数が 100 万人なれば、10 兆円のお金が市場に流れるのです。ましてや、お金のかかる世代です。購買意欲が増すでしょう。子供が二人とか三人 になれば、車も欲しくなり、家も欲しくなるでしょう。家を建てれば、不随するものも必要になります。経済が一斉に花開きます。この 10 兆円は、100 兆円以 上の経済効果を呼ぶでしょう。

岸田総理の「異次元の少子化対策」から、初夢を観させていただきました。