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【論説・コラム】愛憎とも違う同世代議員への複雑な感情

※イメージ画像

  

魑魅魍魎が巣食う永田町の世界で、のし上がるための大切な要素は、与党自民党の有力派閥に入り、トップである会長の覚えめでたい存在になることである。

 

私(記者)の元同期記者で退職後に政治家の道を志して上記の条件を勝ち取り、出世コースを着々と歩んできた中堅議員がいる。総理補佐官や外務副大臣も務め、将来の首相候補に向けて50歳という年齢相応のキャリアを歩んできた彼だったが最近、文春報道の餌食となり、東京地検特捜部の捜査対象となっている。

 

私情を挟んで恐縮だが、社会人になった当初は並走していたはずのライバルがいつのまにか遥かに遠い存在となり、国家の方向性を決める国際会議に出席したり派閥内の重要な役割を担ったりして活躍する姿をニュースで知る度に、哲学者ニーチェの言葉を借りればルサンチマン(嫉妬)を含んだ思いで見守ってきた。

 

一方で、若かりし頃は芥川龍之介のようにシャープだったはずの形相が、みるみる膨らんでいく顔の輪郭や虚ろになっていく眼差しによって、老化というよりも別人に変身していくようにも見えた。あまり幸福を勝ち得ていないようにも見え、何か反比例の作用があるのかなとも感じていた。漫画「デスノート」ではないが、地位と引き換えに活力を吸い取られていく契約でも結んでいるのではないかというほど、重鎮化していく彼の外見的変化は、同世代が中年から初老へとシフトしつつある経年の指標ともなり、その活躍ぶりを見聞きする度に、私自身の五感が大いに刺激されてきたのである。

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