tajikarao「タジカラオの独り言」

=拉致の闇= 野伏翔(映画監督)

 つるべ落としの晩秋は誰しも感傷的になるものだが、今年は私たちを取り巻く諸問題、国際関係から国防、内政、経済、コロナ、その他数え上げればきりのない不安要素の数々に囲まれ、ドイツを破った日本サッカーの勝利以外にはどうにも心が晴れることがない。

私の取り組んでいる課題に拉致事件の啓発活動がある。私が脚本と監督を担当した映画「めぐみへの誓い」は全国で上映会が開かれ、配信もされている。現在海外でも韓国、アメリカ、ドイツと上映が広がっている。政府拉致対策本部主催の演劇公演「めぐみへの誓いー奪還―」の方も今後12月には鳥取、1月に兵庫、浜松、大阪、2月に秋田、東京、3月に鎌倉と公演が続く。・・・・・・だが未だ被害者救出の兆しは全く見えない。拉致は大変な人権問題であると同時に深刻な国家主権の侵害である。警察の発表では北朝鮮による拉致の疑いを排除できない所謂「特定失踪者」の数は約900名にも上る。しかしこの数は家族から捜索願いを受けて捜査した結果の人数である。拉致は天涯孤独な人を甘言を弄して北に送り幽閉し、その日本人に成り代わってパスポートを作りスパイ活動をする「背乗り」というケースも多い。このようなケースの拉致被害者は「特定失踪者」の数には入っていないので、実際の被害者の数は1000名を優に超えると思われる。これほど多くの国民を外国の工作員に拉致され監禁されたまま奪還できずにいる状況は外国から見れば、日本という国は主権を放棄しているのかと取られかねない。だから私たちは声を上げ続けなければならないのだ。

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