kokutai「日本への回帰」「揺るぎなき国体」

日本への回帰 追悼・加瀬英明之命  荒岩宏奨(展転社代表取締役)

 11月15日午後、加瀬英明氏の訃報が入った。私が最後に加瀬氏をお見かけしたのは、コロナ禍以前のことだっと思ふ。

 加瀬氏は弊社から『日本を誤らせた国連教と憲法信者』を出版してゐるのだが、それは私が展転社に入社する前のことである。

 私が加瀬氏と交流を持ったのは、出版ではなく、保守派の運動関係でのことだった。さまざまな会合でお見かけすることは度々あったのだが、それは私が一方的に加瀬氏を知ってゐるといふだけで、加瀬氏に私のことを認識していただいたのは平成26年のことだと思ふ。

 この年は日清戦争から120年、日露戦争から110年といふことで、両戦争を顕彰する集会「日清日露両戦争記念顕彰国民大会」を開催することになり、「日清日露両戦争記念顕彰の会」が組織された。弊社もその大会の後援に名を連ね、弊社からは私が会合に出席することになった。

 そして、加瀬氏が事務所を構へてゐた北野アームスで、日清日露両戦争記念顕彰の会の会合がもたれた。この第一回会合のとき、民社党機関誌「かくしん」編集長だった中村信一郎さんから加瀬氏を紹介していただいた。加瀬氏が頭山興助氏とともに会の共同代表となり、私は事務担当の一人となった。そのことにより交流の機会が増え、夜の会合のときには「お腹がすくだらうと思って夕食を用意しておきました」とご馳走していただくこともあった。

 これが加瀬氏との交流のはじまりだった。

 ただ、コロナ禍になってからはお会ひする機会がなくなり、突然の訃報が届いた。謹んでみたまの安かならんことを衷心よりお祈り申し上げる。