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11・3「明治の日」を制定しよう!  明治の日推進協議会  事務局長 相澤宏明

 現行祝日法のなか、「11月3日 文化の日」を「明治の日」に改める件につき、関係各位のご理解と賛同をお願いいたしたく、以下に、「何ゆえに明治の日が必要か」につき、いささかその理由を述べてみたい。

 

 ①平成17年に成立した「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律(法律第43号)」が、平成19年から施行され、「国民の祝日」として新たに「昭和の日」が加わり、「みどりの日」は5月4日に移された。この改正祝日法に書かれている「4月29日 昭和の日」の趣旨は、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」である。これで4月29日の祝日の意味がはっきりし、明瞭になったのはご同慶の至りである。

 

 ②しかし、他の祝日のなか「11月3日 文化の日」は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨である。これでは国民は一体何をお祝いしてよいのか分からず、祝日11月3日の持つ意味は、明確さを欠いている。自由と平和を愛するのは必要なことと思われるが、しかし、わが国の文化を自由と平和のみに求めるのは、悠久な歴史伝統と乖離し、多様な文化を保持してきた我が国の特色を矮小化させかねない。

 

 ③現行祝日法が制定された昭和23年当時を振り返ってみると、大戦終結による種々の要素、たとえば厭戦気分による虚脱状態、また占領行政のまっ只中にあり、日本国憲法を強制されるなど、戦争を忌避し自由と平和を強調した文化国家を目指さなければならなかったことなどが影響し、祝日法についても憲法体制の一方の柱に位置付けられることとなった。

 しかし、その後、昭和26年から始まった紀元節復活要求運動により、昭和32年には、国民の要請を受け、議員提案で「建国記念日制定」に関する法案が提出されている。その後の審議の結果、昭和41年に「建国記念の日となる日を定める政令」(昭和41年政令第376号)を定めて公布し、即日施行し、「2月11日 建国記念の日」が制定されるに至ったのである。このようにみてくると、「建国記念の日」制定や、先に触れた「昭和の日」制定に顕著に表れているように、国民の意識の変化や願望に対応しきれない祝日法の条文が存在するのである。

 

 ④また、「文化をすすめる」とあるが、「すすめる」はひらがな書きである。しかし、「すすめる」を漢字化すれば「進める」「薦める」「勧める」「奨める」などの同音異義語が存在し、いずれの意味にとるべきか、これまた明確さを欠き、曖昧さを残している。

 かつての昭和天皇のお誕生日であった4月29日を、国会議員の大多数の賛同を得て平成17年5月、「昭和の日」に改め、平成19年より施行したわけであるから、11月3日の明治天皇のお誕生日は、「明治の日」にしないと首尾一貫しない。

 

 ⑤11月3日は、昭和2年より同22年にいたる間、「明治節」としてお祝いしてきた祝日である。この日は、我が国の近代化にあたり、さまざまな困難を乗り越え、光輝ある近代国家に見事変貌を遂げ、世界から賞賛を浴びた、その事蹟を追憶するため、当時の国民の請願を受け明治天皇のお誕生日であったこの日を、昭和2年に祝日として制定したものである。

 

 ⑥以上の制定過程をみれば、当時の為政者が国民に強制し、上から下し与えた祝日ではないことは一目瞭然であり、当時として特色ある祝祭日といってよいのである。であるならば、当時の国民の多くが望んだように、11月3日は「明治」を冠した名称に戻し、我が国を一貫する歴史伝統に立脚した祝日としなければ、日本民族の共同体意識が無に帰す虞なしとしない。とともに、今のままでは、多くの国民は何をお祝いしてよいのか戸惑いを感じているはずである。

 

 ⑦したがって、現行のままでは、祝日法〈自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける〉(第一条) の条文に背く結果をもたらしていると言わざるをえない。

 

 ⑧事実、最近の世論において、我が国における「明治時代」の特筆すべき意義を認識し、「明治の日」を制定し、国民の祝日にすべきとの指摘が強く出てゐる。この指摘は「国民こぞって記念する」とある現行祝日法第一条の精神をふまえていることは明らかである。

 こうした国民の素朴な願いは、我が国の歴史伝統を大切にしたいという点、および明治という時代の特異さを今に追憶したい、この二点にあると考えられてよい。

 

 ⑨かつて安倍内閣においては、憲法や教育および安全保障など政治課題万般に渉り、戦後体制からの脱却を掲げ、積極的な諸施策を実施した。そうであれば、現岸田内閣においても、戦後の昭和23年に制定された現行の祝日法の欠陥についても、速やかな是正措置を取る必要があるはずである。

 

 以上の諸点から見て、「国民の祝日に関する法律」を改正し「11月3日 明治の日」を制定する必要があると思考する。

 きたる11月8日には「明治の日を実現しよう!院内集会」を開催する(案内チラシ参照)。心ある国民各位のご参加をお願いする。