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【コラム】アル中と疑われたことに気付かなかった話

※イメージ画像

人は冷静さを失うと、客観的な視点でものごとを捉えることができなくなる。

 

冷蔵庫のマグロのカマが傷まないうちに処理しようとその日の朝、味噌汁に入れて出汁を取った。肉付きではあるが、骨だらけなので味噌汁の具材には使えない。

 

食材は全て使い切ることをモットーとしているので、味噌汁を煮込んで役割を終えたカマを取り出し、ダシ醤油とみりんで軽く煮込み、朝食替わりに食べた。

 

ふだん午前中は固形物を食べない主義なので、脂身の豊富なマグロのカマは朝食には少々重い。が、夏場の体力が奪われる時期でもある。ここは体力確保のためにと敢えて完食した。箸を使って食べていたが、骨の細部の肉までこそぎ取ることが難しかったので、フライドチキンを食べるように両手でしっかりと持ち、むしゃぶり尽くした。

 

食べ終えてみると、手や口回りがやや魚臭い。いや、甘醤油のまとわりついた魚の脂臭さだろうか。ねっとりとした感覚である。とはいえ、さほど気にするほどでもない。何となく、食後の胃もたれがそう感じさせる程度かと思い、手を軽く洗い、うがいをして家を出た。

 

その日の午後、ニオイや音に異様に敏感な高校生の個別指導があり、講義をしていると「先生はアルコールが好きですか」と唐突に質問された。あまりに不意な質問だったので狼狽えつつ、「好き嫌いで言えば大好きだけど、普段は全く飲んでないよ」と答えた。

 

実際のところ、ここ半年で生ビールを一杯飲んだ程度である。無論、当日に飲んでいるわけもないので、自分の中ではニオイを撒いているなどという発想自体が浮かばない。

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