minsha 「とおる雑言」

【とおる雑言】 旧統一教会問題で糺すべき三点 寺井徹(母子福祉協会監事)

安倍元総理襲撃は、なぜ容易に成功したのか。原因の究明と対策の徹底が肝要である。警察庁長官や奈良県警本部長の警備責任も強く問われるべきだ。本稿執筆時に彼らの辞表は提出されていない。不可解!

いま、旧統一教会・勝共連合と政治との関係に焦点が移ってしまっている。東日本大震災では、津波被害から福島原発に問題がすり替わっていったが、今回も一部アスコミに何らかの〝意図〟を感じ、気色が悪い。

もし、旧統一教会を問題とするならば、第一に外国勢力(同教団は韓国で誕生)に、日本の政治が容喙(ようかい)されてよいのか、第二に宗教指導者の政治支配を容認するのか(この懸念は、創価学会・公明党や幸福の科学・幸福実現党にもある)、第三に民主主義政治が全体主義勢力に簒奪(さんだつ)されるのを黙認するのかの三点である。

ドイツでは、民主的なワイマール憲法体制のもと、ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)が抬頭した。戦後、旧ソ連は武力を背景にしつつ、議会制民主主義を利用して東欧の共産化をはかった歴史がある。

欧米諸国は、それらを胆に銘じ、ファシストや共産主義者の抬頭を警戒。共産党を禁止している国もある。仏伊などでは、ソ連邦の崩壊後、共産党が衰退して行った。ところが、日本の共産党だけは、党名も綱領も変更することなく、生き残っている。

政治において、応援してくれる人や組織はありがたい。旧統一教会は、それで政界に喰い込んだ。まず自らが政治に参加すること。マスコミも民主政治の根幹から解析してほしい。(「とおる雑言」二〇二二年八月)