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【とおる雑言】 「選挙公報」で判る党の体質 寺井徹(母子福祉協会監事)

二〇一九年参議院選挙「選挙公報」で自民、立憲、維新、国民などは、全候補を顔写真付きで紹介していた。ところが、公明は六人のみ顔写真付き(実際は十七人名簿登載で七人当選)、共産は七人紹介(二十六人登載で四人当選)。社民も三人紹介(四人登載で当選は一人)。日頃、「人権を守れ」と叫ぶ三党は、独特の価値観を持っているようだ、と本欄(二〇一九年八月)に書いた。

そのとき十三党が名簿登載政党であった。今回(二〇二二年)は、十五党が比例区に立った。「選挙公報」も、見てみよう。

今「公報」では自民、立憲、維新、国民、社民、れいわ、参政の各党は、登載候補を顔写真入りで同じスペースで紹介している。

それに対し、公明は七候補が経歴、顔写真付きで紹介されていて「公明党はこの7人をはじめ参院選比例区に17人を公認しています」と付記されてあった。氏名は無し。

共産党は、田村智子副委員長と四人の中央委員の計五人が経歴、顔写真付きで紹介されていて、ほかの二十候補は、五十音順で氏名のみ紹介されている。相変わらず両党は、候補者は党の〝コマ〟なのである。

ちなみにNHK党やごぼうの党は、候補者名を記載していない。なお、公明党は二〇〇九年九月から山口那津男、共産党は二〇〇〇年十一月から志位和夫の両氏が委員長を務めている。委員長も所詮〝コマ〟。利用できるものはいつまでも使うということか。

それにしても、各党とも候補者名や党名の売り出しに躍起で、「選挙公報」を読んでみても、肝腎の政策や主張が見えてこなかった。   (「とおる雑言」二〇二二年七月)