araki「拉致問題の闇を切る」

【拉致の闇を切る】 「時間がない」  荒木和博(特定失踪者調査会代表)

 「高齢のご家族には時間がない」

 

 集会のたびに語られる言葉です。これに異議のある人はいないでしょう。

 

 特定失踪者のご家族でもこのところ連絡がとれなくなったりした方が増えてきています。かつては集会でご一緒したりお宅にお邪魔したご家族について、亡くなられ、あるいは施設に入られたと聞くのは正直こたえます。高齢ではなくても先日著書『北朝鮮よ兄を返せ』(ハート出版)を上梓した藤田隆司さん(川口で失踪した藤田進さんの弟)は昨年倒れ、一時は死線をさまよっていました。彼は私より1歳下です。有本嘉代子さんと横田滋さんが一昨年、飯塚繁雄さんが昨年亡くなったときは報道されましたが、特定失踪者のご家族となると何人亡くなられているのか私たちも十分には把握できていないというのが正直なところです。

 

 しかし、さらに加えて「北朝鮮にいる被害者にも時間はない」、「私たちにも時間はない」という現実も考えていただきたいのです。

 

 日本で待つ家族同様、拉致被害者も1年1年歳を重ねています。「時間がない」ことに変わりはありません。特に北朝鮮当局は2年間存在しないと言っていたコロナ禍をついに認めるようになりました。おそらく状況が切迫したからでしょうが、北朝鮮にいる被害者の健康も当然ながら懸念されます。そうでなくても条件の厳しい北朝鮮で、精神的に強いストレスを受けながら暮らしているのですから。

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