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【なるほど納得政経塾】-71- 「情報・物量・士気」    小山和伸(神奈川大学経済学部教授 経済学博士)

勝利の三要素

 物量に農工業生産力とともに、武器と兵員数などの物的要素を含めて考えると、戦の勝敗を決める上で、物量が極めて重要な意味を持っていることは自明である。情報についても、その正確かつ多面的な収集と、正確・迅速な伝達、適格な処理が、勝敗に死活的な重要性を持っていることは明らかである。そして、士気に兵員の練度を含めて考えれば、この重要性も明らかである。

 さて、この勝利の三要素によって、戦争の行方を予測ないし評価することができる。大東亜戦争における日本軍は、士気が非常に高かったが、物量ととりわけ情報における劣勢が顕著であったと言える。情報の収集・伝達・処理については、開戦当初から敗戦に至る迄、ほぼ一貫してその弱点をさらけ出していたと言っても過言ではない。例えば、解読されていた暗号を長期間改訂もせずに使い続けていた点、そもそも日本人が発明したレーダー技術(八木アンテナ)を、積極的に開発・改良しようとしなかった点などが挙げられる。

 この情報技術面での弱点から、まだ物量にも余裕のあった開戦当初の時期に、短期決戦で勝利を制する機会を失ってしまった日本は、その後アメリカの圧倒的な物量における優位に晒されることになる。無論、その物量的劣勢にあっても日本国民の士気は高く、例えば新鋭戦闘機の開発を最後まであきらめず、空の要塞と呼ばれたB-29でさえ、のべ3万機来襲のうち撃墜485機、撃破2,707機、合計3,192機の被害を出している。

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