ken「筆は剣よりも危うし」

【筆は剣よりも危ふし】 侵略を許さない行動ご報告  三澤浩一(武客)

 

 「侵略者に死を」「侵略者に死を」「侵略者に死を」「侵略者に死を」「侵略者に死を」「侵略者に死を」

 

 この雄叫びを連呼しながら行進した。「侵略者に死を」は、3月27日に実行した<侵略を許さない行動>でのシュプレヒコールの一つである。過激な表現だから、道ゆく人は驚いたかも知れないが、納得してくれただらう。「侵略者に死を」は、侵略され虐げられ殺されてゐる人々が、侵略者に対して、心の底から思つてゐる感情だと信じる。

 

 「侵略者に死を」は、僕の言葉ではない。漫画の中の台詞だ。『キングダム』といふ漫画がある。『ヤングジャンプ』で連載されてをり、実写で映画になつたり、NHKでアニメになつたりする人気作品だ。春秋戦国時代末期の漢土を舞台として、後に秦の始皇帝となる若き秦王政と、その金剛の剣となる信といふ若者を主人公にしてゐる。内容は架空といふか創作といふかだが、実在の人物が多数出てくる。秦に立ちはだかる人物として、趙の李牧が出てくる。

 

 李牧は戦国四大名将といはれる英傑として知られる。中華統一を目指す秦は、趙との戦ひの中、趙の王都である邯鄲を攻略する前、逃げ道を塞ぐため、宜安といふ都市を攻撃する。秦による趙への侵略である。趙の軍を率ゐる李牧は、宜安に集まる兵や民に語りかける。

 

 「ここ宜安が落ちれば 趙の王室は 逃げ場を失い 邯鄲を攻略された時 趙国は滅びる」「つまりは この宜安の戦いは 国の生命線を保つ 重要な戦いです」「しかし今は」「遠い邯鄲や 趙王室のこと などは 考えなくていい」「考えるべきことは 皆さんの北の地を 守ること」「侵略者の 血のついた刃から 皆さんの…」「家族を 守ることです」「母を」「子を」「兄弟を」「愛する者を」「何があっても 守り抜く」「その一点を 胸に抱いて戦えば…」「思いを力にして 戦えば」「我々趙北部が 敗れることは 絶対にありません」云々と述べ、最後に「侵略者に死を」と檄を飛ばす。兵たちだけではなく、聴いてゐた民たちも、呼応して「死を」「死を」「死を」「死を」と雄叫びをあげた。

 

 感動的な場面である。国を守るといふことは、国家とか、いはんや政府を守ることではなく、愛する者を守ることなのだ。愛する者と暮らした愛する故郷を守ることでもある。愛する者、愛する故郷が国なのだ。愛する者を守るため、侵略者と戦ふのである。

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