minsha 「とおる雑言」

【とおる雑言】 外務省(相)の怠慢を正せ 寺井徹(母子福祉協会監事)

三月二日の参議院予算委員会で、国民民主党の川合孝典参議院議員(旧民社系)が「在東京のウクライナ大使による面会の申し出を、外務省は一ヶ月にわたり放置していたのではないか」と質した。林芳正外相は「事実である」と認め、ご自身は「大使からの面会要望は承知していなかった」と答えた。誠に怠慢である。

まず、申し出を受けた担当者から外相まで「面会要望」が伝わっていなかった外務省の〝目づまり〟に、さらには、外務省側から情勢取集に動いていなかった〝感度の鈍さ〟にも、〈喝〉である。

昨年夏のアフガニスタンにおいては、逸早く在留邦人を置き去りにして、国外退避した出先機関の素早さを、本省においては持ち合わせていないらしい。日本は、防衛力にさまざまな制約があり、しかも、情報取集能力が鈍く、人脈も細いとなれば、どうやって生き残っていくのか。

ただただ「諸国民の公正と信義」を信じ、「日本は被爆国です。平和を愛する国です」と唱えていればよいのか。「話し合いが大切です。武力をちらつかせてはいけません」と叫んでみても、国際社会では冷笑されるだけ。今回の件で肝腎の外務省(相)のピンが甘く、逃げ足だけが早いことが判った。

先の大戦開始時において、ワシントンの日本大使館の「宣戦布告」公電の翻訳が遅れ、「リメンバー・パールハーバー」を生み出した歴史を忘れたのか。あまつさえ当該責任者は戦後、外務省で出世している。こんな無責任体質では、「害務省」と看板を替えたらよい。(「とおる雑言」二〇二二年三月)